デング熱が日本国内で70年ぶりに伝染確認、海外渡航歴のない埼玉県10代女性に


Photo by Sinu Kumar

熱帯や亜熱帯の国々での伝染病とされているデング熱が日本で発生しました。詳細は以下から。


NHKなどの報道するところによりますと、海外への渡航歴のない埼玉県の10代の女性がデング熱に感染したとのことです。今月20日に発熱や関節の痛みなどの症状で入院しましたが、現在は落ち着いているとのこと。

デング熱 70年ぶり国内で感染確認 NHKニュース

デング熱はアジアや中南米を始めとした熱帯、亜熱帯の地域で流行している蚊によって媒介される伝染病。日本では海外で感染した後に帰国し、国内で発症する人が年間200人ほど報告されています。人から人への直接感染はありません。

感染した女性は海外への渡航歴がないことから海外で感染して帰国した人から蚊を媒介として感染した可能性があるとのこと。

同じ熱帯や亜熱帯の蚊を媒介として感染する伝染病ではマラリアが有名ですが、マラリアの原因となるマラリア病原虫はハマダラカと呼ばれる蚊のみが媒介しますが、デング熱の原因のデングウイルスはヤブカなどによっても媒介されるため、日本でも今回のようなケースで感染の危険があります。

現在アジアではカンボジアの首都プノンペンやタイ東北部の古都チェンマイ、インドの聖地ヴァラナシなどの都市部でもデング熱への感染が発生しています。田舎やジャングルの中ではなく、多くの観光客が訪れる場所でも十分に感染の可能性があります。

デング熱は発症すると発熱や激しい頭痛などを引き起こし、重症化した場合はまれに死亡することもあります。現在有効なワクチンはなく、長袖を着たり虫除けを使用するなどして蚊に刺されないように防御するほかなく、治療薬もないため対症療法が主となります。

一般にデング熱を媒介する蚊が日本の冬を越冬することは難しいとされています。しかし、少なくとも冬まではウィルスを持った蚊が存在する可能性もあるため、注意が必要です。

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