【タイ・レポート】タイのリゾート地でワーケーションする場合の準備と注意点は?【パンガン島編】



タイといえば島やビーチ、山岳地帯などのリゾート地にバケーションで滞在したいという人も多いでしょう。

もしそんな場所で仕事ができればより長く滞在して楽しむことも可能になるかもしれません。

「ワーケーション」という呼称で提案された仕事とバケーションのスタイルはタイでどの程度可能なのでしょうか。

実際にワーケーションするには何が必要でどの程度快適にできるのか、パーティアイランドとして知られるパンガン島での実情をレポートします。


タイのリゾート地でワーケーションができる場所

状況はパンガン島に限らず、ビーチや山岳地帯などのいわゆるリゾート地とされるロケーション全般でほぼ共通しています。

こうした場所にはレンタルオフィスやコワーキングスペースはまず存在しないため、基本的には

・宿泊先のホテル、バンガロー
・観光客向けのカフェやレストラン、バー


などがワーケーションができる場所といえます。

実際問題として、バンコクなどの都市部と島などのリゾート地では環境は大きく違います。まずはそれぞれ見ていきましょう。

宿泊先のホテル、バンガロー


都市部とリゾート地の宿泊施設の大きな違いは、滞在の目的です。

日本のリゾートではあまり実感できないかもしれませんが、海外のリゾート地ではホテルやバンガロー、ヴィラ、コンドミニアムなどは「滞在する時間を楽しむ」ためのものです。

そのため仕事に適したデスクなどが完備されているかについては予めチェックしておく必要があります。

共用のロビーやラウンジなども仕事用には作られておらず、あくまでゆったり過ごすための施設として設計されています。


もちろんそうした宿泊施設であってもWi-Fiは備えており、基本的には問題なく使うことができます。


ただし戸建形式のバンガローなどでは敷地が広いことがあり、部屋によってはつながりにくいケースがあります(実際にありました)。

そのため余裕を持ったデータ通信量の現地SIMを購入し、テザリング用として備えるのが無難です。


また近年はめっきり減りましたが、都市部に比べると停電が起こる可能性はリゾート地の方が高いといえます。

そこまで気にしなくても構いませんが、仕事中に通信遮断が発生するリスクは忘れないようにしてください

なおWi-Fiが問題なく使えるとはいえ、夕方や夜間などは利用する宿泊客が多ければ通信速度は低下します。

観光客向けのカフェやレストラン、バー


リゾート地でワーケーションが可能なのは観光客向けの飲食店です。

飲食店には食事メインのレストランや軽食やドリンク、デザートなどが売りのカフェ、お酒をメインに出すバーなどがあり、多くの場合それぞれ無料Wi-Fiを備えています。


しかし都市部と違い、リゾート地の飲食店では電源を利用できない可能性が高いことに注意が必要です。

また座席もあくまでゆったりとバケーションを過ごすための仕様で、仕事用には調整されていません

美しいビーチを見ながら優雅にワーケーションとしゃれ込みたいところですが、仕事環境として理想的な飲食店を見つけるのは難しいと思っていた方がよいでしょう。


また夜間は照明が落とされてムーディになったり大きめの音量で音楽が流されるお店も多いため、オンライン会議などには向きません。

Wi-Fiがあったとしても快適な環境とはいえない場合が多いと思っておきましょう。

リゾート地でのワーケーションはどれくらい快適?


ロケーション別で見てみましたが、実際にパンガン島でワーケーションを試した結果を踏まえ、どれくらい快適に行えるかについて考えてみましょう。

通信速度について


Wi-Fiの通信速度は都市部に比べて多少ゆっくりに感じるものの、基本的にそこまで大きな違いはありません。

ただしリゾート地の宿泊施設はひとつのビルではなくビーチサイドなどに点在するスタイルが多いため、中継するルーターの少ないリーズナブルな宿ではつながりにくいケースがあります

予めWi-Fiの強い部屋を要望するのはあまり現実的とはいえず、可能なのは前もってBooking.comでWi-Fiの快適度をチェックしておく程度でしょうか。


飲食店のWi-Fiはピンキリで、ローカル向けのお店などにはあまり備わっていません。あまり期待しない方がよいでしょう。

そうなると現地SIMでのテザリングがメインとなるため、余裕を持ったデータ通信量の購入が必須です。

リゾート地、特にパンガン島を含めた島嶼部は通信会社によっては電波がつながりにくい可能性があるため、できれば最も通話エリアが広くて安定しているAISを選びましょう

仕事向きの設備は少ない


前述したように、リゾート地はバケーションを楽しむための場所で、仕事をするよりも仕事から解放されるためにあります。

そのため、宿泊施設でも飲食店でも仕事がしやすいように作られているケースは多くありません。


ワーケーションに向いているかどうかは事前にしっかり確認しておかないと、まともな机や椅子がない、電源を取るのが難しいといったストレスに悩まされることになります

季節によっては湿気や虫の問題も


リゾート地は都市部に比べて当然自然が豊かです。

熱帯雨林気候のタイの自然の中に入っていくということは、いうまでもなく高温多湿の環境に身をさらすということです。


エアコンが備わっていたとしても湿度までしっかりコントロールできるかは微妙なところ。日本のオフィスのような暑くも寒くもなく湿っても乾いても以内といった快適な仕事環境を望むにはかなりのお金が掛かるでしょう。


また季節によっては虫も多く、こちらは嫌いな人にとってはまあまあのストレスになります。

マラリアなどの伝染病の心配はそこまでありませんが、ビーチ沿いのバンガローなどで蚊に刺されずに済むとは思わないでください。

周りはバケーションを楽しむ人ばかり


リゾート地でのワーケーションで最も重要かつ困難なのはモチベーションの維持です。

なんせ周りにいるのは仕事を離れてゆっくりバケーションを楽しむ観光客ばかりなのです。


そんな中で真面目に日本のオフィスとやり取りをしながらせこせこ仕事を続けるには鋼のメンタルが必要です。

目の前にホワイトサンドのビーチがあり、水着の観光客が日焼けを楽しんだり美しい海と戯れている中で、ふと我に返る瞬間の「自分は何をやっているんだ」感はまれに見るレベルの自虐ギャグです。



PCを閉じて水着に着替え、キラキラ光る海に飛び込みたい欲望をあなたはどこまで抑えられるでしょうか?



宿ならばともかく飲食店ではその困難はさらに大きくなります。観光客達はカップルやグループ、ファミリーで楽しい食事や優雅なカフェタイムを楽しんでいます。

夜ともなれば心地の良い音楽の中で杯を酌み交わし、解禁された大麻たばこを楽しむ人々に囲まれるわけです。



そしてあなたのテーブルに若いタイ人や外国人が今夜のパーティのフライヤーを配りに来ます。


いかがでしょう?今のあなたの気持ちが「リゾート地でのワーケーションの快適度」です。

まとめ

タイのリゾート地でのワーケーションは物理的には可能です。

ただしオンとオフをはっきり分け、ワークとバケーションをそれぞれ楽しむだけの自制心が続けば、という条件付きですが。

とはいえ都市部とも違い、リゾート地はあくまで仕事を離れてゆったりと楽しむために設計されていることは頭に入れておきましょう。

リゾート地で仕事に励むあなたは(他の人がどう思おうと)異分子であることをつねに感じることでしょう。


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