これまで長い間医療現場を支えてきてくれた医師・看護師には「処遇倍増」が適用されないことが野党ヒアリングで明らかになりました。詳細は以下から。
新型コロナのパンデミックに伴い、日本各地で医療崩壊が起きています。そうした中で感染リスクを背負い、場合によっては差別的な言動を浴びせられながら長時間闘い続けてくれている医療従事者が大勢いることはすべての日本人が知るとおり。
そうした医療従事者も第3波の襲来による状況の逼迫の中、休みも取れず家族とも会えず、前年よりもボーナスが削減されるといった劣悪な待遇によって退職者も増えているのが現状です。
そうした状況を改善すべく菅首相は12月14日、日本医師会や日本看護協会などから看護師や医師らが応援に入って支えている状況を指摘。「そうした医師や看護師、派遣された方の処遇は倍増したい」と語りました。
加藤官房長官も「コロナ対応で重点医療機関に指定されている医療機関に派遣されている医師、看護師には国から補助する仕組みがある」と発言し、少しでも医療従事者らの助けになるかと思われていました。
ですが、立憲民主党の塩村あやか参議院議員は15日の野党合同ヒアリングで、この「医師・看護師の処遇倍増」となる対象が「新たに応援派遣する医師と看護師」であることを明らかにしています。
塩村議員が「つまり、いまコロナに立ち向かう医師と看護師の話ではない」とツイートしているように、これまで必死の思いで日本の医療を支えてきた医療従事者にはこの処遇は適用されないことになります。
なお、塩村議員が厚生労働省医政局の担当者に確認したところによると、現在すでに働いている医療従事者らには「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」から慰労金が出ていますが、1回限りで5~20万円。それ以外には「診療報酬を引き上げたそうですが、時給換算では厳しそう」とのことです。
言うまでもなく、大変なのは新型コロナに直接対応する医療従事者だけではありません。新型コロナに人や病床など多くのリソースを割かれた状態で、それ以外の病気や怪我にギリギリの状態で対応せざるを得ない医療従事者も大勢いるわけです。
もちろんそちらに対しても何らかの処遇改善はすでに考えているものと思いたいところですが、日々消耗してゆく現場を助けるためには一刻も早く政府が医療現場を支え、助けてゆくというメッセージを政策として打ち出す必要があります。
まさか今後医師や看護師の派遣を担う一部の業者を利するための施策ではないと思いたいところですが、「処遇倍増」の実態はどうなるのでしょうか。なお政府は15日、第3次補正予算案に6月末まで延長するGoToトラベル向けに1兆円を計上する方針を固めています。
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