次世代の党の杉田水脈元衆議院議員「生産性の無いLGBTへの支援策は不要」と差別発言



維新の党の杉田水脈前衆議院議員がLGBTへの支援を生産性を理由に不要であると断ずる差別発言をBlog上にアップしています。詳細は以下から。


次世代の党の杉田水脈前衆議院議員が宝塚市のLGBT支援策の条例を目指す考えを明らかにしたことに関し、Blogosに記事をアップしましたが、その中でLGBTを「生産性の無いもの」として支援は不要だと断じています。

LGBT支援策が必要でない理由私の考え

宝塚市 LGBT支援策 同性カップル証明書 条例検討へ - 毎日新聞

杉田水脈前議員は衆議院議員だった2014年11月に「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」などと国会質問の中で発言し、大きな批判を受けたことを覚えている方も少なくないのではないでしょうか。

本来日本は、男女の役割分担をきちんとした上で、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国です。女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名の基、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です。女性にしか子供を産むことはできない。こんな当たり前のことに目を背けた政策を続けた結果、男性ばかりか当の女性までが、女性にしか子どもが産めないことをネガティブにとらえる社会になってしまいました。

【書き起こし】「本来日本は、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国だった」-次世代の党・杉田水脈議員質疑より引用)



今回問題になっている記事でもLGBT支援策を不要とする3つの理由のひとつ目はこの発言が前提となっていますが、非常に支離滅裂。

「男性に向かって『子供を産みなさい。』と言っても無理」なのは分かりますが、それが男女平等が無理という理由にはなりません。むしろ男女に物理的な違いがあるということは男女平等を目指す際の出発点でしかありません。そしてLGBTに対して

それと同様に生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。



と断じます。「男女平等が絶対実現し得ない妄想だ」ということと同様に生産性のある異性愛者と生産性のないLGBTを同列に扱うことは無理だとしか解釈できない内容です。

この文脈での生産性とは「子供を産める」ということになりますが、この理屈では子供を産めない女性、子供を産まなかった異性愛カップルも「生産性の無いもの」に入ってしまいます。

人間を「子供を産める」という「生産性の有無」で切り分けて支援の要否を決めるというのは完全な差別思想と断ずる以外ありません。杉田はここで3回にも渡って「差別ではなく区別」と繰り返してみせますが、このセリフはKKKから在特会まで差別主義者の常套句であることは以下のように既に指摘されています。

曽野綾子氏が「差別は区別とは違う」と発言した。

同発言は、人種差別で悪名高い白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン」(KKK)から「在日特権を許さない市民の会」(在特会)まで、国内外を問わず世界中で差別主義者が自身の差別意識を正当化する際に使用する常套句である。



そして、差別と区別の違いについてはこのように説明されています。

実際のところ差別と区別はどう違うのか。

区別とは、ただ単に違いを表すことだ。

他方で冒頭の人種差別撤廃条約の文言が示しているように、人種や民族に基づいて人を区分することで人々が享有、すなわち本来的に持ち合わせている人権と基本的自由への認識と実現を阻害する効果を有する場合、その区別は「差別」となる。

差別と区別:なぜ曽野綾子発言は問題なのか? - 五野井郁夫|WEBRONZA - 朝日新聞社より引用)



LGBTという属性を異性愛者から区分し、地方自治体の支援策を不要と断ずることは「本来的に持ち合わせている人権と基本的自由への認識と実現を阻害する効果」を持っていることから、これは差別と言うしかありません。また、そこに「生産性の有無」を持ち込んだことでLGBTに限らず子供を産めない、または産まない人々をも差別する結果となっています。

2つ目の理由に関しては、

日本では基本的人権が保障されています。性別や年齢に関係ありません。LGBTの人たちにも当然保障されています。



という認識が示されていますが、実際は現在の法制度では結婚した男女が通常享受している権利を同性カップルは受けられていないという実際上の問題があるために、渋谷区を皮切りに宝塚市などの地方自治体が条例を制定しようと動いているわけです。この認識はそうした経緯を無視した紋切り型の建前論であり、何ら意味をなしません。しかし杉田はLGBTへの支援を

この上で、「女性の権利を」とか「LGBTの人たちの権利が」とかというのは、それぞれ、「女性の特権」「LGBTの特権」を認めろ!という主張になります。



と「特権」扱いしてしまいます。基本的人権が現行法では十分に保障されていないから、その欠落を少しでも補おうという条例案をなぜ「特権」と敵視するのか、心底理解に苦しみます。

そして3つ目。杉田は「宝塚市はこの支援策の検討会を立ちあげるとしていますが、地方自治体には対応しなければならない課題が山積しています」として生活保護や児童虐待などの例を挙げ「そんな中で人手を割いて取り組むほど重要な課題ではありません」「もっと一般の市民の方々の生活に直結する問題でやらなければいけないことがたくさんあるはず」なのでLGBTへの支援策を実施するのは「優先順位のつけ方を間違っているとしか思えません」と断じます。

しかし、LGBTの人口に対する比率は5~10%にも及んでおり、5%で計算した場合でも日本全国で約640万人、宝塚市の人口を約23万人とすると11500人がLGBTという計算になります。

レズビアン、ゲイ…LGBTに関心高まる 日本人の5%、市場規模5.7兆円 (1 5ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

これを見てもLGBTの問題を「一般の市民の方々の生活に直結する問題」だと認識できないのならば、政治家としての見識に欠けると言う他ありません。

最後に、これはBlogのコメント欄でも批判されていますが

この問題を含め、うまくいかないことがあれば国や行政になんとかして貰おうとする。そういう事例が噴出してきています。



との言い草は選挙で民意を受けて選ばれ、有権者に変わって議論を行う「代議士」である国会議員だった人物の言葉とは到底思えない暴言。生活の中の要望を選挙で政治家に託すという民主主義の根幹を否定する杉田が先の衆議院選挙で落選したのは当然の結果と言えそうです。

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