超高齢化社会は既に…認知症の年間行方不明者1万2208人、死者479人で3年連続最多更新



既に超高齢化社会が現実のものとして始まっています。


地方に住んでいなければ、まだまだ超高齢化社会の実感の沸かない人もいるかもしれません。ですが、忍び寄ってきたその社会はもう現実のものとなっています。介護職の慢性的な不足を始めBUZZAP!でもこの問題は少なからず取り上げてきましたが、アンダーコントロールとは言えない状況が既に発生しています。

警察庁が6月16日に発表したところによると、認知症が原因で行方不明になったとして>昨年1年間に全国の警察に届けられた人の数が前年より1425人(13.2%)増えて1万2208人に上りました。2012年の統計開始以来3年連続の最多更新です。

不明者のうち98.8%に当たる1万2058人(警察が保護・発見が7231人、家族などによるものが4107人)の所在は15年中に確認されましたが、そのうち479人は死亡。150人は同年中に発見されていません。

厚生労働省によると認知症の高齢者は2012年時点で460万人。2025年には700万人にまで達する見通しですが、これは団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達し、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念されるいわば「2025年問題」の頃の話。

グラフ 日本の人口と世帯 2025年の人口ピラミッド【出所】総務省 国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口、総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

高齢者人口が人口比30%となる3500万人にまで達し、人口は1億2000万人に減少します。つまり高齢者の5人に1人、日本人口の6%あまりが認知症ということになります。もちろん少子化が同時に進行しているため、十分に介護を受けられずに認知症の高齢者が徘徊する可能性も今よりはるかに高まっていることが考えられます。

以前BUZZAP!では徘徊する認知症男性が列車死亡事故でJR東海に訴えられた裁判について取り上げましたが、こうした事故が頻発することとなるのは間違いありません。

老老介護に疲れての殺人や心中、具合が悪くなっても頼れる人のいない独居老人の孤独死など、超高齢化社会の問題は既に身近なものとなっていますが、連れ戻せる人のいない認知症の高齢者が徘徊し、交通事故などに巻き込まれるといった問題も決して遠いどこかの話ではありません。

認知症で行方不明、15年1万2千人超 3年連続最多更新  :日本経済新聞

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