自民党の二階幹事長、今村復興相の暴言辞任になぜか「『すぐ首を取れ』となるマスコミは排除しなきゃ」と報道批判

自民党の二階幹事長が今村復興大臣の辞任はマスコミの報道姿勢のあり方のせいだと述べています。あのあり得ない暴言は問題ないという認識なのでしょうか。

以前、東日本大震災の自主避難者は対して「故郷を捨てるのは簡単」と暴言を吐き、その後も「自己責任」で「裁判でも何でもやればいい」とあり得ない暴言を続けてきた今村雅弘復興大臣。

今村雅弘復興大臣震災の自主避難者に「故郷を捨てるのは簡単」と言及 - ライブドアニュース

今村雅弘復興大臣、東日本大震災の自主避難者は「自己責任」で「裁判でも何でもやればいい」と暴言 | Your News Online

遂に昨日25日、所属する自民党二階派のパーティーで、東日本大震災の被害を巡って「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると莫大な額になった」という極めつけの暴言を吐き、辞任に追い込まれました。

辞任は当然として議員辞職するべきという声、安倍首相の任命責任を問う声も上がった他、ツイッターでは今村復興相の暴言を逆手に取った #東北でよかった というハッシュタグで多くの人が東北の魅力をツイートしてトレンドトップになるなど、各方面で大きな反響となっています。

そんな中で自民党の二階俊博幹事長は、自らの派閥に所属していた今村復興大臣の暴言を擁護して「人の頭をたたいて、血を出したっていう話じゃない。言葉の誤解があった場合、いちいち首を取るまで張り切っていかなくてもいいんじゃないか」と語りました。

15000人以上が死亡し、2500人以上が未だに行方不明になり、多くの人が故郷を追われた東日本大震災について、「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると莫大な額になった」という暴言を吐いておきながら「人の頭をたたいて、血を出したっていう話じゃない」という認識は驚くばかり。

この暴言への批判はまったくもって「言葉の誤解」の話ではありませんし、そんな暴言の「真意」をわざわざ忖度する義理が国民の側にあるわけでもありません。

二階幹事長はさらに「政治家の話をマスコミが余すところなく記録をとって、一行悪いところがあったら『すぐ首を取れ』と。何ちゅうことか。それの方（マスコミ）の首、取った方がいいぐらい。そんな人は初めから排除して、入れないようにしなきゃダメ」とまで述べています。

政治家は公人であり、有権者の投票によって選ばれた代議士という立場です。その政治家はすべての発言を有権者は知る権利がありますし、それを伝えるのはマスコミの大切な役割のひとつです。

そうした「マスコミの首を取った方がいい」であったり「初めから排除して、入れないようにしなきゃダメ」という言葉は、都合の悪い発言を隠したい、責められたくないという極めて無責任な態度と表裏一体となってしまいます。

主権者たる国民から選ばれた代議士として襟を正し、自らの発言のひとつひとつに責任を持ち、行動に移すのが政治家たるものの取るべき態度なのではないでしょうか。

マスコミに必要なのはむしろ一切の忖度なく政治家に食らいつきいてファクトを検証し、嫌がる質問を投げかけ、報道することです。先の記事でも引用した、ディストピア文学「1984年」の著者ジョージ・オーウェルの言葉をもう一度記しておきます。

「ジャーナリズムとは、報じられたくない事を報じることだ。それ以外は広報にすぎない。（Journalism is printing what someone else does not want printed: everything else is public relations.）」

二階氏「言葉の誤解、首取るまで張り切らなくても」：朝日新聞デジタル

 東京新聞_復興相発言で報道を批判　自民・二階氏_政治(TOKYO Web)

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