史上最悪の貧乏くじ、内閣改造で就任する文部科学大臣は加計学園獣医学部の認可をする役割に

いよいよ明日に迫った安倍政権の内閣改造。支持率V字回復の期待が込められているとされますが、文科相への就任はどう考えても貧乏くじです。どうなるのでしょうか？

8月3日に行われる安倍政権の内閣改造。既に岸田外相、世耕経済産業相の留任や茂木政調会長の入閣などが取り沙汰されていますが、大きく揉めているのが加計学園問題で揺れ続けている文部科学省のトップたる文部科学大臣です。

文科相に関しては、安倍首相が7月31日に伊吹文明元衆議院議長に就任を打診したものの、伊吹氏が以前立法府の長である衆議院議長を務めた事を理由にこれを固辞したことが伝えられました。

それによると安倍首相と伊吹元議長は31日、首相公邸で非公式に会談し、伊吹氏に文部科学相への就任を打診しましたが、伊吹氏は衆議院議長を務めたことを理由に固辞。ただし議長を務めた議員がその後閣僚に抜擢された例はかつて参院議長を務めた江田五月氏がその後法相に就任するなど複数存在しており、前例がないわけではありません。

つまり、伊吹氏の固辞の理由はある意味「言い訳」だということ。その理由はやはり加計学園問題の当事者という立場に立たされることですが、今回文科相を引き受ければ最初の大仕事はまさにその「加計学園獣医学部の認可をする」という、史上最悪の貧乏くじを引くことなのです。

加計学園の獣医学部新設計画は現在文科省の大学設置・学校法人審議会が認可を審査しています。設置審は大学関係者や専門家らで構成され、認可の結論は8月下旬にも公表される見通しとなっています。

大学の学部・学科の新設は前年3月まで申請を受け付けて文科相が設置審に諮問するのがルールで、審査のポイントは十分な質・量の教員を確保できるか、施設や教育課程が適切かなどで、書類審査のほか、必要に応じて実地審査や面接を行います。

つまり今回の内閣改造で文科相を引き受けるのは、これまで様々な疑惑が噴出してきた加計学園獣医学部新設の一切合切を呑み込んだ上でGOサインを出す張本人になるということ。当然ながら認可すれば野党からの追求はもちろん安倍政権の説明に納得できない7割超の国民から強烈な批判の目を向けられることにもなりかねません。

産経新聞は伊吹氏の固辞に対していみじくも「晩節を汚すリスクを負いかねないという計算も働いた」と分析していますが、そのもっとも大きな理由は「閣内に入れば政治資金などの問題を野党・メディアに細かく詮索され」るからではなさそうです。

なお、今回の内閣改造から逃げの一手を打ったのは伊吹氏だけではありません。根強い人気を誇る若手の小泉進次郎議員も入閣は固辞するとの見方が広がっており、さらには安倍首相が公明党に対して閣僚ポストを現在の1から2に増やす提案をしたものの、公明党は所属議員の数が少なく、国会の委員会対応などが難しくなるとして断られています。

支持率が2割台にまで急落した安倍政権。連立与党内の一部からも「沈み行く泥船」扱いされてしまっていますが、いったい3日の内閣改造の結果はどうなるのでしょうか？

【内閣改造】渦中の文科相就任、重鎮・伊吹文明氏が固辞　改造の目玉が…安倍政権に大打撃 - 産経ニュース

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