加計学園・岡山理科大学獣医学部で行われた入試不正。加計学園側の説明が完全な虚偽であったことを週刊文春が明らかにしました。
どうやら「日本語でのコミュニケーションが著しく困難だった」わけではなかったようです。詳細は以下から。
◆韓国人受験生を一律「面接0点」で不合格にした加計学園獣医学部
この不正入試は2019年11月に行われた岡山理科大学獣医学部獣医学科推薦入試で、韓国人受験生の面接試験を一律0点として不合格にしたというもの。
週刊文春が示した内部文書では、筆記と面接の合計点が138点以上であれば合格扱い。しかし韓国人受験生の面接が一律0点とされたことで、筆記だけで128点取った優秀な受験生も不合格とされています。
面接が一律0点となった理由について、獣医学部の教授陣は「日本語でのコミュニケーションが著しく困難だった」と説明していました。
◆受験生のひとりは「日本語弁論大会優勝者」でした
3月18日発売の週刊文春3月26日号で明らかになったのは、不合格になった韓国人受験生のひとりが日本語弁論大会の優勝者だったということ。しかも主催はなんと当の加計学園です。
週刊文春の記事によると、この韓国人受験生は2019年9月7日に韓国の釜山で「加計学園杯日本語弁論国際大会」に出場。「オリンピックがもたらすもの」をテーマとしたスピーチが行われ、日韓友好を願うスピーチに万雷の拍手が送られて見事優勝したとのこと。
この弁論大会は2011年から創立者の「教育研究の場を通して国際理解に努めたい」という理念を反映して毎年行われてきたもの。安倍昭恵首相夫人も複数回出席するほどの大会で、入賞者には系列大学の入学金免除や奨学金受給資格が与えられていました。
つまり今回不合格にされた韓国人受験生は、日本語での弁論能力を加計学園自らがお墨付きを与えた人物となり、「日本語でのコミュニケーションが著しく困難だった」という弁明は成り立ちません。
◆コロコロ変わる加計学園の声明内容
なお、加計学園側は3月11日の説明で「面接は日本語能力だけを問うものではなく、獣医学科での学習に必要な基礎的な知識なども含めて総合的に判定しています」と声明をひっくり返しています。
なお、面接が一律0点となった韓国人受験生たちが選択した科目は英語と数学。日本語の設問を読み解き、大学受験レベルの英訳、和訳ができる語学スキルを持ち合わせているわけです。
しかしこの新たな声明により、筆記テストや日本語弁論大会で非常に優秀な成績だったにもかかわらず、「『総合的な判定』で韓国人受験生の面接が一律0点にされてしまった」という極めていびつな不正の構図が浮き彫りにされてしまいました。
◆教育機関の役割を果たさない加計学園に私学助成金は不要
今回の声明により、加計学園は2018年に女子受験生の一律減点が発覚した東京医大と同様の「特定属性の受験生のみ一律減点」という不正を改めて自白したことになります。
これは税金を原資とした各種補助金を投じて作られた教育機関としてあるまじき行為で、もはや公金を投じるに値しません。
東京医大に2018、19年度の私学助成金が不交付になり、ほかの入試不正を行った大学も減額となったように、加計学園でも同様の措置が執られる可能性は十分ありそうです。
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