このような事態は今後世界のどこであっても起きる可能性があります。いったいどうすれば回避できるのか、巻き込まれたらどうすればいいのでしょうか。詳細は以下から。
◆パナマの野外フェスで突然の「隔離措置」に
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界各国が連日緊急対策を行っています。外出禁止令や商店の営業停止、入国者の隔離からある種の「鎖国」まで、半月前では考えられなかったような事態が毎日報告されています。
中米パナマでは、野外フェスティバル開催中に非常事態宣言が発令され、参加者らがジャングルの中の会場で「隔離措置」を受けています。
この野外フェスは2月29日から3月15日までの半月間という長期間のものでしたが、終了間際の3月14日にパナマ政府が国会非常事態宣言を発令しました。
"Vamos a iniciar con el primer punto que es la aprobación del Estado de Emergencia Nacional", @NitoCortizo #TReporta pic.twitter.com/oEfVcZbYxL
— Telemetro Reporta (@TReporta) March 13, 2020
3月16日にはパナマ在住ではない外国人の入国を禁止し、海外から入国するパナマ人及び在パナマ外国人に14日の隔離措置を施すことを決定。加えて人々の移動を制限し、公共施設を閉鎖。またビーチやプール、川などへの接近も禁じました。
この決定と連動し、野外フェスに出演・参加していた「日本人8人を含む入国から14日未満の外国人」らに対し、会場での「隔離措置」が行われています。
現地からの情報では、この「隔離措置」は3月23日まで続くとされており、会場の入口では現地のセキュリティが参加者を外に出さないように警備しているとのこと。
なんとも南国らしいゆるい雰囲気と防疫体制ではありますが、それでも外出はできません。
また、パナマ保健相はフェス参加者らに対して健康診断を受けるよう要請。拒否した場合はパナマの法律により罰せられることになります。
現在はフェス主催者により飲料水や健康保持のためのサービスが続行されており、食料も販売されていますが、フェス期間が終了しているため供給は先細りでトイレなどの衛生状況の悪化も指摘されています。
主催者は状況の維持が困難になりつつあるとして、参加者にそれぞれの国の大使館に支援を要請するよう求めています。
◆どのような対応が可能か、外務省海外邦人安全課に聞いてみました
まず最初に、今回のパナマでの事態は決して今回だけ、ここでだけ起こる性質のものではありません。入国者への隔離措置は少なからぬ国で行われるようになっており、仮に入国できても後から遡って隔離措置が発動される可能性もあるということです。
特に今回のように、隔離される場所や環境によっては帰国どころか移動や家族への連絡も困難になるケースも。では日本としてどのような対応が可能なのか、また自らの予防策はあるのか、海外における日本人の安全対策や保護を担当する外務省領事局海外邦人安全課に聞いてみました。
まず、訪問する国でどのような状況になっているかを調べることは大切なものの、今回のケースのように突然非常事態宣言などで状況が急変する可能性はいくらでもあり得るため、完全に避けることは現時点では困難だとの認識です。
また、新型コロナの感染拡大という極めて重要な理由のため、その国の決定に従わなければならないというのが基本ラインとなります。つまり、外務省や在外公館からの働きかけで当事国の決定を覆すことは困難とのこと。
もちろん状況が状況のため、現場が多忙を極めたり混乱している場合もあり得るため、たとえ働きかけをしたとしても効果が得られるかは未知数ということでした。
なお実際に現地の邦人の保護や現地当局などへ具体的な働きかけを行うのは、邦人保護課ではなくその国の日本大使館や総領事館。そのため、そちらに本人や家族、知人から当人の居場所や置かれた状況を可能な限り詳細に伝える必要があります。
もちろん疫病のパンデミックという現代社会に降りかかっている未曽有の災害の真っただ中にあり、そこで何ができるかは個別の案件によって大きく変わるため、具体的にこれができると示すことはできません。
◆「たびレジ」への登録を推奨
そうした中で、邦人保護課から強く推奨されたのは「たびレジ」への登録です。
「たびレジ」は現地の大使館・総領事館から、日本語で最新の安全情報がメールで届く外務省のサービス。大規模な事件・事故、テロ、自然災害等緊急事態が発生した場合、被害の状況によって現地の大使館・総領事館から緊急連絡のメールが届き、安否の確認や必要な支援などを受けることができるとされています。
現在のような状況では、非常事態宣言や入国制限などの情報を日本語でいち早く手に入れることのできるツールと言え、登録があれば大使館・総領事館はその人が旅行中であることを把握できるというメリットもあり、当人も緊急時の連絡先を知ることができます。
もちろんこのサービスを利用し、用心深く渡航したとしても突然の状況の変化が起こり得るのが現在の世界状況。究極的には「今、海外に出るのは大きなリスク」という結論に落ち着くかもしれませんが、事前の綿密な準備がこれからは重要になっていきそうです。
KADOKAWA/角川書店 (2016-08-27)
売り上げランキング: 160,198
・関連記事
「新型コロナウイルス対策は検査することが最重要」WHOがパンデミック受け声明、「医療崩壊するから検査数を絞るべき」の日本と真っ向対立へ | Your News Online
キャンプがもっと楽しくなる「暗闇で光るテントロープ」発売、アウトドア好きの新定番に | Your News Online
【新型コロナ】「生活困窮者には20万円貸してやるよ」感染拡大での収入減に新たな対策 | Your News Online
新型コロナウイルス検査「陽性率」脅威の76.7%に、厚労省が「37.5度以上が4日以上」こっそり緩和も | Your News Online
肺炎の兆候まで測れる格安スマートウォッチ「UMIDIGI UFit」発売、健康管理に特化で睡眠時無呼吸症候群が気になる人にも | Your News Online