地雷のように全国に存在するブラック企業を網羅したマップが登場、有用さから話題になっています。
◆ブラック企業を晒す厚労省のサイト
パワハラやセクハラなどのハラスメント行為、労基法違反の低賃金や長時間労働など、全国に蔓延するブラック企業は日本社会の大きな問題となっています。
その対策がどこまで進んでいるかには議論がありますが、それでも2017年5月、厚生労働省は違法残業や賃金不払いなどの労働基準関係法令に違反した疑いで書類送検された企業の社名の公表という「晒し」を開始しています。
そこで公表されているのは全国の都道府県の労働局が労働基準法違反などの疑いで書類送検した企業名や事業所名。所在地や公表日に加えて違反法条、事案概要も明記されており、どのブラック企業がどういった違反を犯したのかがひと目で分かるようになっています。
掲載されるのは厚生労働省のHPの長時間労働削減推進本部の「長時間労働削減に向けた取組|厚生労働省」というページ。ただしこの「労働基準関係法令違反に係る公表事案」は毎月更新されてゆくため、過去事案などを見つける事は容易ではありません。
◆厚労省お墨付きブラック企業を網羅する「ブラック企業マップ」
そんな中で登場し、大きな話題となっているのが「ブラック企業マップ」というサイト。事故物件マップで有名な「大島てる」のブラック企業版とでも言えば分かりやすいでしょうか?
ブラック企業を表すドクロマークで埋め尽くされた日本地図に、ネット上では「ブラック列島だ」「ここは地獄か」といった感想が並んでいます。
このサイトでは上述した厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載されている企業ブラック企業と定義して掲載しています。
また企業名や違反法律別でブラック企業を検索する事も可能で、情報は随時更新されています。さらには「企業一欄」「都道府県別」「違反法条別」などでも検索できるため、自分の住んでいる場所のブラック企業をひと目で把握することも可能です。
ありとあらゆる角度からブラック企業を可視化し、あぶり出すことのできるサイトデザインは非常に優秀で、就活生や転職希望者には極めて実用性の高いデータ集と言うことができそうです。
このサイトの運営者はTwitterで「社畜@ブラック企業マップ」というアカウントを運営しており、プロフィール欄によると「社畜が怒りと涙で日本全国のブラック企業を地図で可視化しました!」とのこと。ご自身も少なからずブラックな企業で働いていることが想像されます。
本日午前中はアクセスが殺到して繋がりにくい状態になっていましたが、現在はほぼ復旧しています。
なお、ここに掲載されているのは厚労省お墨付きのブラック企業のみ。実際の法令違反などが発覚した企業に限られるため、氷山の一角である事は間違いありません。
ただし、自己申告で掲載となると主観が強くなったり悪意のあるブラック認定などが横行する可能性もあるため、この基準での掲載が妥当なのかも知れません。
よって「弊社もブラックなのに掲載されていない!」とお嘆きの社畜諸氏におきましては、内部告発を行って「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載させ、ひいては「ブラック企業マップ」で可視化させる事があらゆる意味において社会のためになるのではないでしょうか?
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