315年間で1200万人、大西洋を渡って新大陸に運ばれた奴隷たちの足跡を2分で表した動画が恐ろしい

人類近代史の汚点とも言わざるを得ないアメリカ合衆国の奴隷制。奴隷たちはどのようにアフリカから新大陸へと拉致されてきたのでしょうか？

17世紀の初頭、イギリスのバージニア植民地への入植後に始まり、南北戦争での奴隷解放宣言、そして1865年のアメリカ合衆国憲法修正第13条の成立で法的には終了したアメリカ合衆国の奴隷制度。その多くはアフリカから連れてこられた黒人たちでした。

当時だけでなく、もちろん現在も黒人に対する差別は厳然と存在し、今年に入ってからも警官が無抵抗の黒人を射殺する事件が相次いで大きな問題となっています。それらの悲劇と差別の大本となる非道な奴隷制度の中で、奴隷たちはどのように大西洋を越えて運ばれてきたのでしょうか？

ウェブメディアSlateは315年の間に2万回を超える奴隷船による奴隷貿易によってアフリカから大西洋を越え、新大陸へと運ばれた1200万人を超えるとされる奴隷たちの足跡を2分の動画にまとめました。

ものすごい勢いで西へと向かう点のひとつひとつが数百人の奴隷を満載した奴隷船であり、その点のひとつひとつの中に数百人の人間の人生が押し込められていました。そしてこの過酷な「輸送」の中で200万人あまりが命を落としたとされており、近代史上稀に見る残虐行為と言わざるを得ません。

以下のHPからはより大きなバージョンがあり、こちらでは画面を停止してそれぞれの点をクリックすると船名に船籍、出発地と到着地、運ばれた奴隷の数などを確認することができます。

Animated interactive of the history of the Atlantic slave trade.

人間を人間扱いしなくなった時、どこまで人間は非人間的になれるのか。このシンプルなアニメーション動画はこれ以上なく冷徹に示しています。

The Atlantic Slave Trade Visualized in Two Minutes_ 10 Million Lives, 20,000 Voyages, Over 315 Years _ Open Culture