米オーランドのゲイクラブ銃乱射事件で史上最悪の49人死亡、オバマ大統領は「テロでありヘイト」と声明

ゲイクラブでの史上最悪の銃乱射事件が発生しました。テロでありヘイトクライムであるとオバマ大統領が声明を出しています。詳細は以下から。

6月12日未明、アメリカ合衆国フロリダ州オーランドのナイトクラブ「Pulse」で銃乱射事件が発生、49人が殺害され53人が負傷しました。米犯罪史上最悪の規模となりましたが、それだけに留まる事件ではありません。

このナイトクラブ「Pulse」は同性愛者が集まることで有名なゲイクラブ。オマル・マティーン容疑者（29）は週末で賑わうこのクラブに午前2時頃アサルトライフルと拳銃で武装して侵入し銃を乱射。警官らと銃撃になった後に30人前後の人質を取ってクラブ内に立て籠もり、午前5時頃に突入した警官隊によって射殺されました。

マティーン容疑者の両親はアフガニスタンからの移民で、自身はニューヨーク生まれとされています。マティーン容疑者はFBIから2013年と2014年に尋問を受けていましたが、その際には脅威なしと判断されていました。以前はロンドンオリンピックの警備も担ったイギリスの世界最大の警備保障会社G4Sのフロリダ支部に勤務しており、銃火器所有のライセンスも保持していました。

フロリダ警察はマティーン容疑者が襲撃中に911に電話をかけてIS（イスラム国）に忠誠を誓った他、ボストンマラソンでのテロ事件にも言及したと公表。周到に準備された襲撃計画だと指摘していますが、現時点でISとの直接的な繋がりは発見されていません。

IS系のメディア「アマク通信」はこの銃乱射事件を「IS戦闘員が実行した」と事実上の犯行声明を出しており、IS支持者らも銃撃を賞賛するコメントを相次いで投稿しています。

オバマ大統領はこの事件を受けて「We know enough to say this was an act of terror and act of hate（これはテロ行為であり、ヘイトクライムである）」との声明を発表。テロ攻撃であるのと同時にLGBTに対するヘイトクライム（人種・宗教・性的指向・民族への偏見が、動機として明白な犯罪）であると明言しています。

しかし、マティーン容疑者の父親は事件を「宗教とは関係がない」としています。父親はマティーン容疑者が、妻や3歳の息子と一緒にフロリダ州マイアミにいた際、男性2人がキスしているのを見て「見ろ。俺の息子の前であんなことをしている」と激高していたと話しており、この通りだとすればイスラム過激派によるテロではなくLGBTへのヘイトクライムであったということになります。

極めて複雑な要素が絡み合っており、今の時点でマティーン容疑者の動機を完全に特定することはできていません。ただし影響は既に大きく、大統領選挙のトランプ候補は「オーランドで起きたことは始まりにすぎない。われわれの指導者は弱くて無力だ」「私は（イスラム教徒入国）禁止を要求した。タフにならなければならない」としてムスリム入国禁止の主張を正当化。

一方のクリントン候補は「テロ行為だ。共に立ち上がり、地域や国を守るために全てのことをしようと決意する時だ」「今回使われたような銃がテロリストや犯罪者の手に渡らないようにしなければならない。戦争用兵器が街中に存在する余地はない」として結束を呼びかけた上で銃規制の必要性に言及しました。

ORLANDO SHOOTING EYEWITNESSES at Florida Pulse Nightclub - YouTube