この同意書にサインをすれば主催者側は新型コロナ感染に関する責任を逃れ、参加するアスリートらが非常に大きなリスクを背負うことになります。詳細は以下から。
ABCニュースのオーストラリア版がIOCが今週になって選手らに署名を求めた書類について報じています。
その書類ではIOCは選手らに、東京五輪への参加によって被る新型コロナを含むあらゆる損失や障害、損害に関し、IOC、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京2020オリンピック競技大会に対して一切の責任を問わないという同意を求めています。
ABCが今週配られた「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 補遺」への記述として紹介している文章は以下のとおり。
適用し得る法の最大限の範囲で、参加機関はIOC、IPC、東京2020オリンピック競技大会(及びその取締役、役員、従業員、ボランティア、契約者、代理人)に対し、本大会への参加によって当該機関及びその責任下にある認定者が被る、または晒される可能性のあるあらゆる種類の損失、障害、損害へのいかなる責任からも決定的に解放することに同意する。
"To the fullest extent admissible under applicable laws, the Responsible Organisation agrees to irrevocably release Tokyo 2020, the IOC, the IPC (and their respective members, directors, officers, employees, volunteers, contractors or agents) from any liability for any kind of loss, injury or damage that the Responsible Organisation, including any Accredited Person under its responsibility, may suffer or be exposed to in connection with their participation in the Games.”
(Tokyo Olympics questions still to be answered by organisers on COVID-19 and its potential impact on athletes - ABC Newsより引用、拙訳)
これは平常時のオリンピックであれば、当たり障りのない同意書と言えたかもしれませんが、今は世界的なパンデミックの真っ最中。日本ではワクチン接種も進まず、市中感染が広がって緊急事態宣言解除のメドも経たないのが現状です。
こうした状況下でIOCがIOC自身やIPC、五輪大会で被る諸々への責任を放棄する文書に同意を要求することは、まったく違った意味を持つことになります。
なお東京五輪の感染対策は現時点でも確定しておらず、下手をすれば選手らは最終策を知らないままに同意を求められることにもなりそうです。
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