Photo by Coleen Elliott
嗜好品としての大麻が合法となって3年、大麻産業がクラフトビール産業を超えています。詳細は以下から。
2014年1月に医療用・嗜好品を問わない大麻の完全合法化の行われたアメリカ合衆国コロラド州。それから1年後の様子を検証したBUZZAP!の記事は相次いだ日本の大麻合法化推進論者の逮捕にも絡み、現在も注目を集めています。
大麻完全合法化から1年、コロラド州で起こったこと、起こらなかったことについて | BUZZAP!(バザップ!)
そのコロラド州では、大麻産業が極めて大きな伸びを見せています。Marijuana Policy Groupの調べによると、2015年の大麻産業は23.9億ドル(約2500億円)規模にまで拡大しています。これはコロラド州の同年のクラフトビール産業の17億ドル(約1800億円)規模を大きく上回る数値です。
クラフトビール好きはピンときたかもしれませんが、コロラド州はクアーズなどの有名ビールの工場がある他、300軒を超えるマイクロブリュワリーが存在し、ビールの年間生産量では全米第1位を誇っています。そのためワインが有名なカリフォルニア州のナパバレーにちなんで「ビールのナパバレー」との異名を持つほどのビールの聖地なのです。
ビールの聖地、アメリカ・コロラド州でクラフトビールを飲もう!|TapTrip
ビールの街 デンバー _ Link-USA アメリカ 旅行 観光 情報サイト
つまり大麻産業は合法化からわずか2年でその全米トップを誇るビール産業を追い抜いてしまったということ。しかも、嗜好品としての大麻にかかる税金はアルコールの3倍で、カジノよりも14%多いというビハインドを背負ってのこの発展です。従業員数で見ても大麻産業の直接的な雇用者数は12591人とクラフトビール産業の7776人を5000人近く上回っており、大きな雇用を生み出していることも見て取れます。
2015年の大麻の売り上げは9億9600万ドル(約1000億円)となっており、毎年11.3%程度ずつ成長して2020年には15.2億ドル(約1600億円)のピークにまで達するだろうと予測しています。
マイクロソフト社も参入を決め、拡大の一途を辿るアメリカ合衆国の合法大麻産業。カナダでも来年春から嗜好品としての大麻が完全合法化されることもあり、こうした流れはさらに広がることになりそうです。
また、医療大麻のシェアも拡大し、2013年の時点で全米で165億円規模の医療費の削減に繋がっています。
日本では未だに医療大麻の合法化論すらキワモノ扱いされている現状ですが、もっと世界でリアルタイムに起こっていることに目を向けた方が、今後の産業振興や医療費削減などの重要な問題へのヒントが見つかるのではないでしょうか?
Report_ Colorado marijuana industry is already bigger than craft beer - Denverite
(Photo by Coleen Elliott)
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