「超常現象」は、演出次第で大人でも簡単に騙される



幽霊、超能力、予言…超自然的で常識ではありえないお話は、この世界のあちこちに転がっています。

そんなものは信じない!と頭で考えていても、演出次第ではコロッと騙されてしまうという結果が出ました。詳細は以下から。


ジャーナル「Psychological Reports」に掲載された最新の報告によると、目の前で「死者の霊と話す」場面を目撃した被験者の2/3が超常現象を経験したと回答し、その多くが感情を強く動かされたと答えています。


つまり逆に言うと、感情に強く訴えかける演出があれば、通常は信じないような話でも信じさせられてしまうことになります。

Lise Lesaffre氏らの研究チームはスイスの419人の大学生を被験者として集め、まず科学で説明できない伝統宗教、魔法、超能力、予言などをどう考えるかのアンケートを実施。

その後霊能力者が聴衆のひとりの死んだ家族と話す「交霊実験」を行いました。霊能力者は死者の人生を細かく話し、遺族はそれを聞きどんどん感情をあらわにしてゆきます。


なお実際は、霊能力者はセミプロの手品師で、遺族もグルのニセモノ。実験後に再度アンケートを行い、その中では追加でこの現象を超常現象、手品、宗教的奇跡のどれだと思うかを問い、感じたことを自由記載してもらいました。

結果、被験者らの科学で説明できない現象への受容度が上がっており、交霊実験については2/3の65%が超常現象と回答。手品と答えたのは10%のみでした。

自由記載欄では半数が見たことの受け止め方を葛藤していた一方、1/3が肯定・否定いずれかの感情を吐き出していました。

その中でも、自身の感情を述べなかった被験者ほど「超常現象」と受け止めておらず、感情的に揺さぶられた人ほど「超常現象」であると信じやすくなっていました


不安や恐怖という感情に訴え、突拍子もない話を信じ込ませるカルト詐欺的なビジネスがあることは広く知られているとおり。

自分の感情が誰かに動かされた時、その人の示したものの真偽は、一度頭を冷やしてから判断を下した方がよさそうです。

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