Photo by Junko Fujita
ノーベル平和賞受賞者でもあるダライ・ラマ14世が、後継者は不要であるとインタビューに答えて公言しました。
チベット仏教の精神的指導者として知られ、ノーベル平和賞も受賞しているダライ・ラマ14世。壮絶な人生を歩みながら気さくで笑顔を絶やさない人柄で世界中で愛されていますが、この度自らが最後のダライ・ラマであると公言しました。
ダラムサラでテレビ中継でダライ・ラマの説法に聞き入るチベット仏教徒
Photo by Junko Fujita
ダライ・ラマ14世はドイツのWelt am Sonntag紙のインタビューに対し
「私たちはダライ・ラマという制度を5世紀近くに渡って続けてきた。ダライ・ラマ14世は非常に名前が知られているので、この著名なダライ・ラマで制度を終わりにしようと思う」
「もし弱いダライ・ラマが現れるようなら、それはダライ・ラマへという制度に泥を塗ることにとなるだろうね(笑)」
と述べました。さらにインタビューの中ではチベット仏教の組織について
「チベット仏教はひとりの個人に寄って立つものではない。私たちは高度に訓練された僧侶と学者に寄る、非常に良く組織化された機構を持っている」
とも述べており、ダライ・ラマという制度がなくなってもチベット仏教は弱体化しないという見方を取っています。
中国が1951年にチベットを支配した後、1959年にダライ・ラマ14世はヒマラヤを超えてインドに亡命し、1960年にダラムサラにチベット亡命政府を建てました。2011年には政治の世界から身を引きましたが、チベット仏教徒の中では現在も精神的指導者として大きな影響力を持っています。
車で通り過ぎるダライ・ラマと、手を合わせるチベット仏教徒の少女たち
Photo by Junko Fujita
本当に現在のダライ・ラマは現在の14世で途切れることになるのかは不明ですが、ただ「後継者がいない」ということで済むかは微妙なところです。
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