「日本はすごい!」「日本は世界から愛されている」「世界に尊敬される日本人」のような論調のテレビ番組や書籍が増える昨今。
ともすれば他国を下に見るような排外主義的な考え方につながりかねないことから「愛国ポルノ」と揶揄されています。
そして現在開催中の国際的な映画祭のキャッチコピーにすらそのような記述がみられたことで、批判が寄せられていることが明らかになりました。
現在まさに開催されている東京国際映画祭2014ですが、Twitterに投稿された映画祭のとあるキャッチコピーが高慢な愛国ポルノ全開であるとしてネット上で非常に不快で国際的な映画祭に全くそぐわないと大きな批判が巻き起こっています。
問題のキャッチコピーはこちら。
黒澤自身はニッポンに不満たらたらだったことも、お忘れなく。 pic.twitter.com/8BUeLMDJlW
— モルモット吉田 (@molmot) 2014, 10月 26
ニッポンは、
世界中から尊敬されている
映画監督の出身国だった。
お忘れなく。
Lest we forget; our nation
gave birth to some of the world's
most respected directors.
英語の文章のWeが国際映画祭であるにも関わらず日本人に限定されていることはもちろん、日本出身であることを述べるためにour nation gave birth toと「我々の国家」を主語にしています。完全に国内向けであるならともかく、世界に向けて発信する映画祭でこれをやってしまうとは国際感覚のなさは呆れるばかり。
ネット上では以下のように批判が噴き出しています。
東京国際映画祭は好きだけど、このコピーは最低だと思います。個人の業績を国に重ねるのが最近の流行だけど、みっともないことだと思う。“@molmot: 黒澤自身はニッポンに不満たらたらだったことも、お忘れなく。 pic.twitter.com/APbRqgJUP6”
— 松江哲明 (@tiptop_matsue) 2014, 10月 26
枡野浩一氏の短歌「野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない」"@tiptop_matsue: 東京国際映画祭は好きだけど、このコピーは最低だと思います。個人の業績を国に重ねるのが最近の流行だけど、みっともないこと pic.twitter.com/1C3gPCSOWi”"
— 香山リカ (@rkayama) 2014, 10月 26
東京国際映画祭のコピー。主語が「映画」じゃなくて、「our nation」になっている。最近の国粋的風潮の反映? ものすごく気持ち悪い。RT @tiptop_matsue @molmot https://t.co/7vNzWKFPq2 pic.twitter.com/6SSTOUr845
— 盛田隆二『身も心も』(光文社文庫)発売中 (@product1954) 2014, 10月 26
東京国際映画祭のとあるコピーがひどい - NAVER まとめ
コピーの酷さはもちろん、こうしたコピーが考案されただけでなく、採用されてポスターにまでなってしまっているということに対しても暗澹たる思いを抱く人が少なくないようです。
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