一瞬同じようなものだと思うかもしれませんが、これらは全然別の考え方。どこがどう違うのか納得できる秀逸な画像がシェアされています。
「平等」は自由と共に民主主義社会を形作る重要な考え方。しかし公正取引委員会などの組織があるように、似ているようには感じながらも少し違う使われ方をする「公正」という考え方も存在しています。
そしてこのふたつ、ぼんやりと同じようなことを言っているように見えて、実は大きな違いがあります。例えば国や地方自治体が誰かに対して補助を行う時、平等に行うのと公正に行うのでは全く違う結果になります。一体どう違うのか、それを表したのがこちらの画像。Equalityが平等、Equityが公正を表しています。
平等はそれぞれの状況を鑑みずに全員に対して同じ待遇を施し、結果野球の試合を見られない人がいます。しかし公正ではそれぞれの状況に応じて待遇を変え、全員が野球の試合を見られるようになっています。
こちらの説明文つきの画像では平等は同一、公正はフェアネスと言い換えられています。
説明では
「平等は公正さを推進させるために全員に対して同じものを与える。しかしそれが正常に機能するのは全員のスタート地点が同じ場合に限られる。この場合では全員の身長が同じ時だ」
とされており、公正に関しては
「公正さは人々を同じ機会へのアクセシビリティを確保すること。個人それぞれの差異や来歴は、何らかの機会への参加に対し障壁となることがある。なので最初にまず公正さが担保されて初めて平等を得ることができる」
とされています。
残念ながら現在の日本では生活保護受給者や障がい者、妊婦などに対し不平等であると攻撃する風潮が蔓延していますが、まずこの公正という考え方が私達の社会に存在していることを頭に入れて見てみると、これまでおかしいと感じてきたことも納得できるかもしれません。
なお、この画像にはこのようなパロディも。資本主義の1%の富裕層による富の独占への強烈な皮肉になっています。なお、ここでのJusticeは日本語で考える「正義」よりも公正や公平の意味で使われています。
Equity and Equality Are Not Equal - The Equity Line
【追記】
平等について非常に示唆に富む三原順の作品「はみだしっ子」に関するツイートが2万回近リツイートされて大きな話題になっていましたので追記します。
なんか最近「平等という建前で弱者も強者も老若男女構わず全員平等にぶん殴ってたら弱い奴から倒れるだろ」(大意)という意見を読んで、三原順「はみだしっ子」の「橋の下の例え話」を思い出した。こういうことなんだよな(白泉社文庫版5巻261頁) pic.twitter.com/pf4fv0OEvG
— 岸本元 (@bowwowolf) 2015, 1月 27
(Photo by Pixel Fantasy)
日本経済新聞社
売り上げランキング: 98,512
売り上げランキング: 60,507
・関連記事
利他性こそが人類の文明社会が生き残る唯一の道であるという研究報告 BUZZAP!(バザップ!)
OECD「トリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なう」という衝撃の報告について BUZZAP!(バザップ!)
足の不自由な子供がパパやママと一緒に「歩く」ことができる二人羽織式ガジェットが開発される BUZZAP!(バザップ!)
人々とハグを交わすかわいいクマの着ぐるみ、その中に隠された秘密が語りかける大切なこと BUZZAP!(バザップ!)
ネットの根も葉もないウワサは拡散しやすく訂正されにくいことが明らかに BUZZAP!(バザップ!)
いじめの加害者は健やかに成長し、心疾患やメタボにもなりにくいことが明らかに BUZZAP!(バザップ!)