【追記あり】非正規雇用が1年で48万人増加し初の2000万人超えに



アベノミクスが推進される中、非正規雇用の労働者が昨年同月より48万人増加し、史上初めて2000万人を超えました。


衆院選前にアベノミクスの成果として挙げられた雇用の増加。実は100万人雇用が増えた内訳は正規雇用が22万人減り、非正規雇用が123万人増加したことが野党らに批判されていましたが、この傾向は留まるところを知らず、ついに非正規雇用が2000万人の大台に乗りました。

総務相が26日に発表した労働力調査によると、11月の非正規雇用の労働者数が前年同月に比べて48万人増加し、調査開始から初めて2012万人となり大台に乗りました。役員を除く雇用者全体に占める非正規労働者数の割合も38%となり、過去2番めの高さとなっています。

年齢別では最も多いのが55~64歳で419万人、次いで35~44歳の410万人となっており、男女別では女性が1371万人、男性が641万人。

また、雇用形態の内訳ではパートが11万人増で967万人、アルバイトは10万人減で414万人、派遣社員が19万人増で135万人、契約社員が11万人増で289万人、嘱託が12万人像の124万人。その他は6万人像の84万人。

増加数、増加率共派遣社員が最大となっており、男性が6万人増の56万人、女性が13万人像の79万人となっています。

非正規労働者が増えた背景としては、企業で定年後も働ける継続雇用制度の普及、子育を終えた主婦らのパートやアルバイトへの就労の拡大、企業の正社員採用への厳しい姿勢などが挙げられています。

不安定で将来の見通せない身分である非正規雇用がさらに拡大を続けることで、将来の人生設計を見通せないことから結婚や出産を諦めたり、格差の負のスパイラルに巻き込まれるケースも減少は見込めそうにありません。

先日BUZZAP!で掲載したOECDの報告でも格差社会が経済成長を損なうと明言されていましたが、雇用を安定させ、格差を埋める政策が取られなければ今後の経済成長の見通しは不透明なものとなりそうです。

OECD「トリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なう」という衝撃の報告について | Your News Online

東京新聞 非正規 初の2000万人超 48万人増、労働者の38% 経済(TOKYO Web)

非正規労働者数が初の2千万人突破…女性の派遣社員が急増 嘱託男性も躍進 - 産経ニュース

【追記】
舛添要一東京都知事はこの状況に対し、12月27日の東京新聞のインタビューに答える中で

三人に一人が非正規雇用というのはおかしい。おかしくないと思う人とは立場が同じじゃないんで。たとえば、同じ会社で従業員十人のうち二人が非正規雇用だとすると、これを正規雇用にしてくれるなら財政的な補助をすることもあるだろうし、どこかの会社が正規で雇うなら、少しでもインセンティブ(動機づけ)を、と考えている。



と、非正規雇用の増大に対応していく考えを明らかにしています。

東京新聞 舛添都知事インタビュー 雇用対策に本腰 3人に1人非正規「おかしい」 首都圏(TOKYO Web)

(Photo by Alexander Olm

「非正規大国」日本の雇用と労働
伍賀 一道
新日本出版社
売り上げランキング: 78,048

なぜ雇用格差はなくならないのか―正規・非正規の壁をなくす労働市場改革
小林 良暢
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 351,938

・関連記事
OECD「トリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なう」という衝撃の報告について | Your News Online

富裕層が得た富は庶民にも流れる「トリクルダウン理論」の問題点が一目で分かる画像 | Your News Online

「平等」と「公正」の大きな違いが1秒で納得できる画像 | Your News Online

暴走する資本主義が何をもたらすか?マイケル・ムーアの「キャピタリズム マネーは踊る」をGYAO!が無料配信、1月12日まで | Your News Online

「小渕優子の関連団体が10月の捜索前にパソコンHDをドリルで破壊」が衆院選当選後に判明という闇 | Your News Online

利他性こそが人類の文明社会が生き残る唯一の道であるという研究報告 | Your News Online