産経新聞がさっそく渋谷区の同性パートナー条例を攻撃開始、反同性愛デモの写真を紙面に



つい先日、中高生向けの憲法講座記事に無関係なLGBT差別イラストを掲載して問題となった産経新聞が、今月開始されたばかりの渋谷区の同性パートナー条例への攻撃を始めました。





記事の写真には同性パートナー条例成立を祝う写真と並べて、3月10日に全国各地で訴訟沙汰に発展している「在特会」と関連の深い「頑張れ日本!」が主催した、反対デモの写真も採用。

しかしBUZZAP!でお伝えした通り、反対デモは「普通の愛情は男女から発生する」「LGBTは社会を乱す」といった街宣や、統一教会の関連団体による同性愛への嫌悪感を一切隠さないチラシが撒かれるなど、条例への賛否を超えた「反同性愛デモ」の様相を呈していました。

さすがに全国紙の記者・編集者が、反対デモの背景がそのようなものであったことを見抜けないとは思えません。にもかかわらず、あえてその写真を採用したところに、この記事を執筆した記者やゴーサインを出した編集部、ひいては産経新聞社自体の悪意を感じざるを得ないわけです。

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記事内では2人の不動産会社の担当者の話として、「これまで同性カップルのほとんどはルームシェアとの名目で入居しており、カップルと告白することはまずない」とのコメントを掲載。

もちろんそういった理解のある不動産会社も存在しているでしょう。しかし、下記のブログ記事にあるような苦労をしている同性カップルをいないものとみなすことはできません。

ゲイカップルの引っ越しは苦労が多い - 因果応報

また、病院からは「入院患者が拒否しない限り、だれでも面会できるようにしている」「同性パートナーであっても面会は断っていない」などとの声を紹介。しかし意識を無くして救急搬送された患者との面会や、手術の同意書へのサインを、法的に関係が認められていない人物が行うことはできるのでしょうか。




また、最後に「家庭観の崩壊」との小見出しで麗澤大学の八木秀次教授の言葉として「日本は古くから同性愛に対して寛容だったが、現在の法律では子供を産み、次の世代をつなぐことができる『男女の組み合わせ』に特別な意味をもたせている。同等の権利を認めることは家族観や家庭観の崩壊につながる」との意見を掲載。

もちろん日本国憲法24条は結婚を両性の合意のみに基いて成立するものとしており、「子供を産み、次の世代をつなぐことができる」ことを理由に「『男女の組み合わせ』に特別な意味をもたせている」訳ではありません。

そうした「子どもを産み、次の世代をつなぐことができる」生産性を結婚の特別な意味であるとするならば、子どもを産まない、もしくは産めない異性カップルの結婚を認めることも家族観や家庭観の崩壊に繋がることになり、子どものいない既婚者すべてを否定することになる上、ひいては先日BUZZAP!でもお伝えした、杉田水脈元衆議院議員と同様の差別発言となります。

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また、条例が法令に抵触するかどうかという議論も紙上で展開されていますが、これに関しては既に法務省が「同性間のパートナーシップを認めることを禁じる法制になっていないので、(条例案は)法律上の問題があるとはいえない」との見解を示しており、本件とはあまり関係がなさそうです。

同性愛に対して寛容であったという日本古来の伝統的で素晴らしい家庭観や家族観が現代に復活するのであれば、まさにそれをこそ誇ればよいのではないかと思われますが、産経新聞社がこうしたネガティブキャンペーンを張る背景には、いったい何があるのでしょうか。

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