【追記あり】「女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」と伊藤祐一鹿児島県知事が女性差別発言→「口が滑った」と撤回


Photo by Sarah

鹿児島県知事が女性に三角関数を教えて何になるのかと発言し、大きな批判を浴びています。詳細は以下から。


問題となった発言が掲載されたのは8月28日の南日本新聞の記事。かごしまの未来を語る会がFacebookページ上に記事を載せ、ツイッターでもそのリンクをつぶやいたことから発言が拡散し、女性差別発言として大きな批判を呼んでいます。

「女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」

なんと、朝からすごい発言を目にしてしまいました。
鹿児島県知事の発言です。

「サイン、コサイン、タンジェントよりも世の中の草花の方が将来、人生設計において有益かもしれないというメッセージだ」と??

ひとを馬鹿にした発言をなさる方ですね。
朝から血圧が大変上がりました。

Posted by かごしまの未来を語る会 on 2015年8月27日



この発言は27日の県総合教育会議の場で行われたもので、伊藤祐一鹿児島県知事は「高校教育で女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」「社会の事象とか、植物の花とか草の名前を教えた方がいい」などと持論を展開。

南日本新聞の取材での「性別によって教育内容を変えることを容認することにつながりかねない」との指摘に対しては、知事は否定しながらも「女性にとっては、サイン、コサイン、タンジェントよりも世の中の草花のほうが将来、人生設計において有益かもしれないというメッセージだ」と述べており、フォローどころか完全な女性差別発言となっています。

また、伊藤知事は「サイン、コサイン、タンジェントを社会で使ったことがあるか女性に問うと、10分の9は使ったことがないと答える」とも発言しています。

こうした一連の発言は女性差別発言であると同時に非常に雑な暴論であるとして批判を浴びています。

まず女性は「三角関数より草花の名前」という時点でステレオタイプに基づいた女性蔑視であり、「人生設計において有益かもしれない」と発言していることから知事という立場で「性別によって教育内容を変えた方がいい」という「メッセージ」を暗に示しているとの批判は避けられるものではありません。

実際には三角関数はある種の技術系の職業につく際には前提となる知識であり、知事の発言は「女性はエンジニアになる必要はない」と言っているのと変わりません。

ネット上では女性への教育を否定し、ノーベル賞受賞者ともなった少女を銃撃したタリバーンのような姿勢だとの厳しい批判もされている他、「女性の9/10が社会で使っていないというけど、男性はどうなの?どれだけ差はあるのか」との指摘もあります。

社会に出て三角関数を直接扱わない人は男女問わず多いものと思われますが、だからと言って女性に三角関数を教えないことは女性が技術職に就くことを阻害することとなり、雇用に関する男女差別を作ることにも繋がります。

九州男児だから、などという理由で看過できる発言とはとても言えません。

【追記】
伊藤知事が28日の定例記者会見で一連の発言について「口が滑った。女性を蔑視しようということではない」として発言を撤回しました。ついつい本心がでてしまったということなのでしょうか。

女子教育「コサイン教えて何になる」 鹿児島知事、撤回:朝日新聞デジタル

(Photo by Sarah

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