映画作家の想田和弘氏がツイッターのハッシュタグを用いて行っている実験が恐ろしいと話題になっています。詳細は以下から。
これまで幾度となく「全く問題ない」「批判は当たらない」などと記者会見で繰り返し批判をかわしてきた菅官房長官。説明責任を果たしていないとの批判もありましたが、当たり前のように発せられるこれらの言葉にいつしか慣れてしまった人も多いのではないでしょうか。
「選挙」「精神」「演劇1・2」などを観察映画という独自の手法で撮影してきた映画作家の想田和弘氏が昨日からツイッター公式アカウント上で始めた実験が、菅官房長官の実際の言葉を用いて延々と自分へのリプライに答えていくというもの。
想田氏はハッシュタグ#菅官房長官語で答える を用いてこの返答を行っていますが、どんな問いかけや誹謗中傷に対しても幾つかのパターンで応答できてしまう上に、それらを無効化してしまうまさしくマジックワードであることが明らかにされていきます。
そのような指摘は全く当たらない。#菅官房長官語で答える https://t.co/dYRmV0LwZ6
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
そのようなことは断じてない。#菅官房長官語で答える https://t.co/Mf50jX400N
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
その指摘は全く当たらない。そのようなことは断じてない。#菅官房長官語で答える https://t.co/8R5EQrYbZd
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
粛々と進めるだけ。#菅官房長官語で答える https://t.co/v9U1gES5J9
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
そのような批判は全く当たらない。#菅官房長官語で答える https://t.co/WwUuhQwbOO
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
粛々と進めるだけ。#菅官房長官語で答える https://t.co/v9U1gES5J9
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
フォロアーらも最初は微笑ましく見ていたものがそのうち苛立ちを覚え始め、最後には恐怖を感じさせるという事態になっており、通常届いていたクソリプ(編集部注:クソのようなリプライ)も激減してしまったとのことです。
そのような批判は全く当たらない。#菅官房長官語で答える https://t.co/7Am5HOYoXv
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
#菅官房長官語で答える 無敵話法を使いだしてから、僕に対するクソリプが明らかに減って物足りん。おらおらどうした、どんどんこいっ!
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
想田和弘さんの #菅官房長官語で答える の破壊力がすごい。
— 後藤由耶Yoshiya Gotoh (@yoshiyagotoh) 2015, 10月 1
#菅官房長官語で答える タグ、面白いと同時に、恐怖も感じる。今の政治の在り方がなんで不快なのか、なんとなくわかってくるような気がする。拾い読みでも、いくつか読んでみることをおすすめします。
— くみくみ (@kurukuru_pon641) 2015, 10月 1
ついにはこれは想田氏の新しい表現活動の一部と言えるのではないかとの意見も。
想田和弘氏の #菅官房長官語で答える という試み面白い。最初はただ笑ってたのが、徐々に出てくる反応や考察からその話法が持つ色んな面が見えてきたり...これはもはや監督のドキュメンタリーの一部のよう。
— moekom (I'm not Abe) (@moekomini) 2015, 9月 30
ヤバイ、もはやこれは、言葉による #パンクアート だ。
#安倍語で補足 #菅官房長官語で答える https://t.co/FQbhXGKUrv
— 超兄貴ざんす(筆ペン_団扇) (@chouaniki_zns) 2015, 10月 1
最初は悪ふざけかと思っていたが、これは「ツイッターを使ったパフォーマンスアート」なのではないか? #菅官房長官語で答える
— すーさん (@klockatrad) 2015, 9月 30
これがあくまでも現役の官房長官の記者会見での発言のコピペであるという事実から、政権と国民との間の意思の疎通が恐ろしいほどにできていなかったのではないかという感想が多くの人から漏れ聞こえてくるようになります。
想田和弘氏の #菅官房長官語で答える が罵声に対して功を奏しているということは、それが官邸におけるコミュニケーションの不全を如実に表しているということですよね。無愛想とか、にべもないとか、けんもほろろとか、木で鼻を括るとか、鼻にも引っかけないとか、取り付く島もないとか。
— 徳久圭 (@QianChong) 2015, 10月 1
#菅官房長官語で答える 既に多くの人が述べているけど想田監督への中傷リプが全部官房長の言葉で封殺されてていっそ笑えてしまう。けれど裏を返せば私たちは今もこの非交流の意思を含んだ言葉を聞かされ続け、官房長自身も「論破」したと思い込んでいるのかもと考えると笑えなくもなる。
— ののもり (@d0bb30a0e219457) 2015, 10月 1
このパロディは、想田監督に腹を立てて必死にDISリプを続ける人たち(主にネトウヨ)自身が菅DISをしてる構造になってて、本人達は愚かにもそれに気づいてないので、まあエリート的悪趣味とも思えるし、痛快とも言える。
#菅官房長官語で答える
— Takuya Kawakami 川上拓也 (@kawakami_takuya) 2015, 9月 30
#菅官房長官語で答える を眺めてるとお腹痛いw しかしこういう答弁を繰り返してる現政権が冷静かつ論理的に、「丁寧に説明」してると思える人がいるんだから世の中広いよねえ。
— 賽@今季は勝つヽ(゚∀゚)ノ (@xi_lions) 2015, 10月 1
無限ループの地獄……。こんな奴が官房長官をやっているのか……。
https://t.co/MgiHK30t6s
#菅官房長官語で答える
— S14乗りのショタ初霜(非公式) (@Shota_824m0Xbot) 2015, 9月 30
#菅官房長官語で答える ←このタグの面白さはまともに議論しようとするほど徒労感に見舞われることにある。嫌みも通じない感覚はなかなか味わえるものではない。そしてその徒労感の原因となる発言の元ネタが誰であるかに向き合いたくない層の人たちにイヤなダメージを与えている。
— かつま大佐(DX完全変態) (@kamiomutsu) 2015, 9月 30
現政権の会話を不成立にさせる手法がダイナミックに可視化されて、何が不快なのかが赤裸々に。 #菅官房長官語で答える
— chuu (@V10CENTAURO) 2015, 9月 30
昨日から質問を投げかける人に対しても粛々と #菅官房長官語で答える 想田さん。普段菅さんがどれだけ思考の停止、対話の拒絶、説明を放棄しているかが分かる。必死な批判的リプライも空虚な言葉で投げ捨てられてしまうやり取りが切ない https://t.co/VWl7NQ5IkF
— ふわみ (@kwiknr1) 2015, 9月 30
#菅官房長官語で答える ってすごい。徹底的に国民を見下してるから、こんなこと平気で言えるのね。ネットで知らない相手に書くのも憚れるのに、記者会見で言うんだから。。。
— いまなか だいすけ (@cienowa_otto) 2015, 9月 30
想田和弘さん(@KazuhiroSoda)の #菅官房長官語で答える の一連のツィート、最初は可笑しくて笑っていたが段々背筋が寒くなってきた。何も答えず何も伝えない。コミュニケーション拒絶の究極の形。私達は政治の場でこの言葉を毎日聞かされているのだ。
— はちミツ@私がキムゴロスキー (@G832) 2015, 9月 30
さらには#橋下語で攻撃 #安倍語で補足 というハッシュタグも登場、バリエーションは豊かになりましたがコミュニケーション不在は進む一方
対案を出せ。文句があるならお前がやってみろ。#橋下語で攻撃 #菅官房長官語で答える https://t.co/zCuUo6nHrA
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 10月 1
文句があるならお前がやってみろ。#橋下語で攻撃 #菅官房長官語で答える https://t.co/xv0e4JClsi
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 9月 30
そんなことどうでもいいじゃん。#安倍語で補足 #菅官房長官語で答える https://t.co/XiLGH2Ektq
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2015, 10月 1
ツイッター上では大喜利になりがちなハッシュタグという存在で、あくまで大喜利を装いながらも官房長官らの実際の発言を用いることで炙りだされたものは何だったのか。慣れてしまった記者会見ではなく、別の人の口から同じ言葉が出ることで、見えてくるものもありそうです。
想田監督の #菅官房長官語で答える #橋下語で攻撃 #安倍語で補足 は「隠れ上から目線」を見事に露呈したと思う。彼らを支持する人は、普段は彼らの肩に乗っかって一緒に見下して来た。自分が何者なのかを見失って。私たちと同じ一国民なんだよ。こんな風に扱われてどう思ったのかな。
— もっさん (@moss_japonesa) 2015, 10月 1
#菅官房長官語で答える #安倍語で補足 #橋下語で攻撃 これらの言語をつかって延々つぶやきつづけた時間は、相田和弘氏が生み出した現代アートであり、「コミカル・ホラー」でありました。現在の政治状況が一種の「コミカル・ホラー」であることも、同時に照らし出しましたね。快哉
— heroちん@フォーラム4 (@madanai_5) 2015, 10月 1
なお、このタグについてはこちらのtogetterに多くのつぶやきがまとめられています。
【追記】
想田氏が自らのFBでこの実験についての解説を行っていましたので追記します。
#菅官房長官語で答える コツは、相手の質問や抗議に対して決して答えないこと。自然にしていると、思わずうっかり答えそうになるんですけど、そこをグッとこらえる。そして木で鼻を括ったような定型句を繰り出す。するとコミュニケーションがそこで遮断され...
Posted by 想田 和弘 on 2015年10月1日
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