他人から見たら奇異な行為であっても、宗教上の理由でそれを行う人は存在しています。この女性は公にその行為を認めさせることに成功しました。詳細は以下から。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ローウェルに住む女性Lindsay Millerさんはパスタファリアンです。パスタファリアンとは空飛ぶスパゲッティ・モンスターによってこの宇宙が創造され、デザインされたとする「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」の信者のこと。
Millerさんは今年の8月、Massachusetts Registry of Motor Vehicles(RMV)で免許の更新をしようとしましたが、金属製のパスタ用水切り器を頭に被って免許証用写真の撮影に臨もうとしたことから更新を拒否されました。
彼らは私のことを笑っていたわ。私は他の宗教の女性のことを考えて、これは公正ではないと考えたの。彼らは単に私の信仰を知らないだけ。彼らは免許更新を拒否すべきではなかったわ。
とMillerさんは語ります。自動車免許を司るRMVによると「免許証用の写真では帽子などの頭を覆うものの着用は不可とする。ただし、医療上、宗教所の理由がある場合を除く」とのことで、Millerさんは行動を起こします。
Millerさんは知人のつてを頼って人権保護活動を行うAmerican Humanist Associationを支援する法律家ネットワークSecular Legal Societyに所属するPatty DeJuneasさんの助力を得ることになります。
DeJuneasさんは合衆国憲法修正第1条により、全ての宗教は「例え他の人から見てある部分が奇妙なものだったとしても」保護されるべきであると述べます。
私はパスタファリアンではありません。ですが、私の理解では空飛ぶスパゲッティ・モンスター教はパロディを用いて信仰というシステムに何らかの訴えかけを行う非宗教的な宗教です。
そして免許がないままMillerさんは2ヶ月を過ごし、10月の彼女の主張のヒアリングがキャンセルされた後、2回目のヒアリングが行われる前にRMVは突然Dejunesさんに連絡し、パスタ用水切り器を被った写真での免許更新を認めると伝えました。
Massachuesetts RMVのスポークスマンMichael Verseckesさんはこの決定について「RMVは利用者からの要求について一貫した写真ポリシーの元に調査を行った」とし、方針の変更については
我々は宗教的信仰の正直さや誠意といったものについて思い至らなかった。
としており、Millerさんは文字通り宗教的自由を勝ち取ったことになります。
フランスではイスラム教徒の女性の公共の場でのブルカ着用禁止が法制化されていますが、アメリカ合衆国でいわゆる「ネタ宗教」とも認識されがちな空飛ぶスパゲッティ・モンスター教への信仰の形が公的ライセンスの写真でも認められたというこの事例は好対照と言えそうです。
なお、Millerさんが日常生活で常にこのパスタ用水切り器を頭に被っているかは不明です。
Woman allowed to wear spaghetti strainer on her head in Mass. license photo - The Boston Globe
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