いかなるドラッグもキメず、脳の力だけで簡単に幻覚体験できる方法


Visual by VJ Spike-Bloom

どんな物質にも頼らず、脳の力だけで幻覚体験できてしまう方法が紹介されています。詳細は以下から。


ある種のドラッグを用いた際、もしくはなんらかの極限状態に陥ったり、瞑想が佳境に入った時などに発生する幻覚体験。実はある方法で簡単に体験できてしまうのです。

幻覚というのは突き詰めて考えれば脳の作用。ドラッグと呼ばれる物質の中には脳に働きかけ、なんらかの幻覚を見せるものが存在しています。もちろんそうした物質を摂取せずとも、脳の活動が非日常的な状態に置かれた場合、何らかの幻覚体験を行うことも十分にあり得ます。

では、意図的にそうした非日常な状態に脳を置いて幻覚を体験することは可能なのでしょうか?YouTubeチャンネルScam Schoolは「全体野(ガンツフェルト)効果」と呼ばれる現象を用いていかなるドラッグを摂取することなく、幻覚体験に至る方法を紹介しています。

全体野というのは視覚や聴覚などのインプットが完全に均一な状態のこと。かつてはテレパシーの実験などにも用いられたこともある、極めて怪しげなイメージの伴う概念ですが、あらゆる個別具体的な刺激をストップさせた、均一な状態を指します。難しそうですが、準備は簡単です。

必要なものは数枚の白い紙と化粧用のコットン、ゴムバンド、そしてYouTubeなどにある30分以上のホワイトノイズ(間違ってもノイズ系アーティストの作品を使ってはいけません)の動画です。例えば以下のようなもの。

【最高のヒーリングNo.18】快眠にホワイトノイズ♪ 自然音 - YouTube


【集中脳波】 集中できるホワイトノイズ 2時間 【勉強用】 Noise 2 Hours - YouTube


白い紙はプリンタ用紙のような薄いものが適しており、光を通さない分厚い紙ではいけません。その紙を大きめのアイマスクのように切り、両端をキツくなりすぎないように(ただし外れないように)ゴムバンドを取り付けます。鼻のところから光が入らないようにコットンで塞げばできあがり。こんな感じです。


これで視覚が完全に均一な真っ白になればOK。イヤホンかヘッドホンを付けてホワイトノイズを再生し、横たわります。この時服装はできるだけゆったりした格好になり、部屋の温度も暑すぎたり寒すぎないように調節していきましょう。全ての準備が整ったら30分間、動かず、喋らず、目をつむったままにもせず、均一な視野とホワイトノイズに身を任せましょう。


いったい何が起こるのか、以下の説明動画の6:00辺りから実体験したふたりの興奮気味の会話を聞くことができます。

Creating REAL HALLUCINATIONS Without Drugs - YouTube


ここで起こっているのは視覚と聴覚の非構造的な刺激が継続する中で、脳が何らかのパターンを認識しようと働き、無意味な感覚的ノイズの中に何らかの形を見いだしていくという現象。どこかで聞いたことがある…と思った方は大正解。以前BUZZAP!でも取り上げたGoogleの画像認識機能を持つ人工神経回路網「Deep Dream」がランダムなノイズから極彩色の夢を紡ぎ出していく過程と同じなのです。









いかがでしょう。興味が出てきましたか?心地の良い週末、脳内マジカルミステリーツアーに出発してみるのもまた面白いかもしれません。

How To Make Yourself Hallucinate Without Taking Any Drugs IFLScience

(Visual by VJ Spike-Bloom


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