環境省「原発汚染土の基準を8000Bqに緩和したら99.8%も公共事業にリサイクルできるよ、やったね!」



1kg辺り8000ベクレルにまで緩和された原発汚染土の再利用。その結果ほとんど無駄なくリサイクルできることが判明しました。詳細は以下から。


BUZZAP!では以前福島第一原発事故の除染廃棄物として大量に積み上げられている汚染土を道路や防波堤などの公共事業の建設資材としてリサイクルするための基準が事故前の100Bq/kgから8000Bq/kgまで80倍に緩和されたことを報じました。

この結果、汚染土のなんと99.8%がリサイクル可能であることを環境省が試算で明らかにしました。来年度以降技術開発や再利用のモデル事業を進める計画です。

このしさんは環境省の汚染土の活用を議論する検討会で示されたもの。試算では災害廃棄物の再利用基準である「1kgあたり3000Bq以下」の場合、上述の「1kgあたり8000Bq以下」の場合を仮定し、自然減衰で基準を下回るまで待つ場合や化学的な処理、土の粒の大きさでより分けるなどの場合の利用可能量と最終処分量を算出しています。

この結果、どちらの場合でも手を加えれば汚染土のほとんどが再利用できることとなり、8000Bqの場合は99.8%にまで及びます。現在汚染土の最終処分量は2200万平方メートルとされていますが、これが3000Bqの場合は10万立方メートル、8000Bqでは4万立方メートルにまで縮小される計算です。

使用目的は管理者が明確で長期間掘り返されない道路や防波堤などの公共工事に限定されると説明されており、8000Bq/kgの汚染土を盛り土に使う場合は厚さ50cm以上のコンクリートなどで覆えば1m離れた場所で常時過ごす人の年間被曝線量は0.01mSv以下に押さえられ、健康に影響はないとしています。

繰り返しになりますが、8000Bq/kgという値は福島第一原発事故による放射性物質による汚染に対処するために作られた「放射性物質汚染対処特措法」に基づく指定基準であり、廃棄物を安全に処理するための基準です。

原子力発電所の解体等によって発生する金属やコンクリートを、人々が日常生活を営む一般社会で建設資材などとしてリサイクルすることを想定して作られているのが「原子炉等規制法」であり、こちらの基準は100Bq/kg。この違いは環境省自らが作成した以下資料から読み取ることができます。

100Bq/kgと8,000Bq/kgの二つ基準の違いについて 環境省廃棄物・リサイクル対策部

今現在起きているのは、あくまで3機の原子炉のメルトダウンという原発の過酷事故に対応するための法律を日本中の公共事業に適用するという極めて異例の対応であることは理解しておく必要があるでしょう。そして、99.8%もリサイクルできるのであれば、そもそもあれだけの税金と労力をつぎ込んで行われた除染作業というのはいったい何だったのでしょうか?

原発汚染土、最大で99.8%再利用可能 環境省が試算:朝日新聞デジタル

福島原発汚染土:公共工事に利用 一定の条件と対策の下で - 毎日新聞


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