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ヘイトスピーチに対する強力な抑止力となるでしょうか?大阪市で全国初のヘイトスピーチ抑止条例が施行されました。
2016年1月15日に大阪市議会本会議において自民党を除く各会派の賛成多数によって成立した全国で初となるヘイトスピーチを抑止するための条例が本日7月1日に全面施行されました。
この条例では特定の人種や民族への差別や排除を煽るヘイトスピーチ(差別扇動表現)を抑止するため、有識者でつくる審査会と市がヘイトスピーチと認定した場合、行った個人や団体の名前を公表されることになります。
ヘイトスピーチの定義については「不特定多数の者が知りうる場所や状態で、人種や民族に係る特定の属性を有する個人や集団を社会から排除したり、権利や自由を制限したり、憎悪や差別の意識や暴力を扇動する目的で、侮蔑や誹謗中傷したり、脅威を感じさせること」と明確にされており、6月23日に施行されたヘイトスピーチ対策法よりも踏み込んだ定義と言えそうです。
また、この条例の指すヘイトスピーチという「表現活動」はデモや街宣活動といったリアルでの直接行動だけではありません。これには画像や映像も含まれている他、そうした「表現活動」の記録を販売、上映、インターネット上にアップするといった「拡散行為」も含まれていると規定します。
これはヘイトスピーチ対策法の付帯決議でも言及された根深くはびこる「インターネット上のヘイトスピーチ」にも同条例は対応しているということ。過去の書き込みも本日以降残っていれば条例の対象となり、プロバイダーに削除を要請するなど拡散防止の措置が取られます。
条例の施行に合わせて大阪市は窓口を設け、ヘイトスピーチによる被害の申し出の受け付けを開始。在日コリアンらでつくる「ヘイトスピーチを許さない!大阪の会」は要望書を提出し、在日コリアンの排斥を訴えるデモの動画やツイッターの投稿について申し立てるとしています。
本日、大阪市ヘイトスピーチ対処条例が全部施行されました。私たちは午前10時より、大阪市に要望書を提出し、その後条例に基づく申出を行います。今朝方確認しましたが、申出予定の12件の動画、ブログ等は全て削除されず残っていました。https://t.co/eywwZ44JEh
— ヘイトスピーチを許さない!大阪の会 (@NoHateOsaka) 2016年6月30日
名古屋市の河村たかし市長が大阪市の条例を参考にヘイトスピーチ抑止条例の制定を検討している他、大阪市には他の自治体や議会からの問い合わせも相次いでいるとのことで、大阪市での運用次第ではこれがモデルケースとして全国に広がっていく可能性もあります。
ヘイト条例あす全国初施行 大阪市、発言者名の公表も:朝日新聞デジタル
東京新聞 在日コリアンら被害申し立てへ 全国初の大阪市ヘイト抑止条例で 社会(TOKYO Web)
ヘイトスピーチ対策条例施行 - NHK 関西 NEWS WEB
大阪市:ヘイト許さへん 個人・団体名公表 来月完全施行 - 毎日新聞
(Photo by bobbi vie)
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