小池百合子都知事誕生の暁には、東京都民はオリンピックのために個人資産から協力を求められることになりそうです。
猪瀬直樹元都知事が2012年に「世界一カネのかからない五輪なのです」と豪語し、その後新国立競技場問題を始めカネの問題がかさみにかさみ、立候補時に提示された「立候補ファイル」での3013億円の6倍の1.8兆円にも及ぶ費用が必要であることが明らかになった東京オリンピック。
誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) 2012年7月27日
それ以外にも、エンブレム問題から未だに真相が明らかにならない招致活動の贈賄疑惑、また、費用抑制のために新国立競技場の冷房設備が見送られたり、五輪ボランティアに宿代や交通費すら支給されないことになるなど、惨憺たる有様となっています。
今回の都知事選はそうした東京オリンピックに関する諸問題への対応も争点のひとつとなっており、各候補の政策が注目されていました。
そんな中で小池百合子候補が「国とか都の予算ではなく個人の資産もご協力をお願いするということを図っていきたい」と発言し、物議を醸しています。
小池百合子さんが、伏魔殿みたいな東京都の自民党や公明党の利権構造に本気で切り込むと思っている方、あれだけずさんな五輪予算についての彼女の対処方針を聞けば、そんな期待には何の根拠もないことがわかりますよ。 pic.twitter.com/xYtWeX2W4y
— 中野晃一 Koichi Nakano (@knakano1970) 2016年7月26日
小池百合子候補は不足している巨額の五輪費用について、個人の資産から寄付を募っていきたいとのことですが、1.8兆円にも及ぶ五輪費用のどの程度を寄付に頼れると考えているのでしょうか?まずは当初の予算通りに開催できるように無駄を省き、それでも寄付が必要ならオリンピックで利益を得られる企業に協力を依頼するのが筋でしょう。
また、こうした寄付が本当に自発的な意志のみによって行われるかについても注意が必要です。寄付の名を借り、同調圧力によって協力を「要請」されるようでは本末転倒もいいところ。ただでさえ格差や貧困が拡大している中で、オリンピックへの寄付がさらなる重荷となるような事態は絶対に避けなければなりません。
東洋経済新報社
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