大分県警が参院選期間中に隠しカメラを野党支援団体敷地に無断で設置して盗撮、しかし「どのような捜査で設置したかは言えない」



参院選の選挙期間中に民進党や社民党の、いわゆる野党統一候補らを応援する団体の建物敷地に大分県警が無断で隠しカメラを設置していたことが判明しました。詳細は以下から。


今年の参議院の選挙期間中に、民進党や社民党の野党統一候補を支援する団体が選挙活動に使っていた大分県別府市内の建物の敷地に大分県警別府署員が無断で侵入して隠しカメラを設置、出入りする不特定多数の人々を盗撮していたことが判明しました。

隠しカメラが発見されたのは、別府市南荘園町にある労働組合「連合大分東部地域協議会」や別府地区平和運動センターなどが入る別府地区労働福祉会館の敷地。参院選の際には大分選挙区で立候補した民進党現職の足立信也候補や、比例代表に出馬した社民党の吉田忠智党首の支援拠点となっていました。

隠しカメラは参院選公示前の6月18日深夜に別府署の捜査員2人によって敷地内の草むらに設置されました。1台は敷地内の斜面に、もう1台は木の幹にくくりつけられていたということ。隠しカメラの1台は玄関の人の出入りを、もう1台は駐車場の車の出入りを撮影していました。映像の録画は公示日の22日頃から行われていたとみられています。

23日に敷地内で草刈りをしていた別の施設の職員がこれらの隠しカメラを発見。内蔵のSDカードを確認したところ、別府署員がカメラを設置する様子が映り込んでいたことから同会館の関係者が別府署に連絡したところ、署が設置を認めました。

発覚後、別府署幹部が謝罪に訪れて24日には隠しカメラを撤去したとのことですが、設置理由については「個別の容疑事案で特定の対象者の動向を把握するため」としつつも「どのような捜査で設置したかは言えない」と回答を拒否したことをNHKが報じています(現在当該記事から同文言は削除済。魚拓はこちら)。

設置した別府署の捜査員2人は「草が生い茂り、夜だったので、他人の管理地とは思わなかった」と説明しており、大分県警の小代義之刑事部長は「捜査活動の一環としてカメラを設置したが、他人の管理する敷地内に無断で立ち入ったのは不適切な行為であり、関係者におわび申し上げます。今後は適切な捜査について指導を徹底します」と謝罪のコメントを発表しています。

捜査の一部とはいえ、参院選公示日直前という極めて繊細な時期に野党の支援団体の施設に無断で隠しカメラを設置し、人と車の出入りを盗撮していたことは極めて大きな問題です。建造物侵入罪などに該当する可能性があるとのことですが、法的な処罰は当然ながら、誰の指示で何のためにこの盗撮が行われたのか、即時徹底究明が必須です。

大分県警別府署:隠しカメラ、「民進党」関連建物敷地内に - 毎日新聞

別府署が野党側団体敷地に隠しカメラ 参院選期間中 - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

労組の参院選運動拠点に隠しカメラ設置 大分県警が謝罪:朝日新聞デジタル

野党支援団体敷地に隠しカメラ=署員が参院選挙中設置か-大分県警、不適切と謝罪:時事ドットコム

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