【閲覧注意】「養って。」養殖うなぎを美少女に擬人化した志布志市ふるさと納税PR動画が全方位アウトな狂気ホラーに

鹿児島県志布志市が全方位的にアウトなホラー動画を作成してしまいました。詳細は以下から。

グロテスクで吐き気を催すような批評性に富んだ映像作品は古今東西に存在しています。しかしそれを真顔でやってしまえば話はまったく別のものになります。

BUZZAP!では以前牛を擬人化（もしくは人を擬牛化）したブレンディの広告について記事化しましたが、あの衝撃に勝るとも劣らないおぞましい狂気のホラー動画を鹿児島県志布志市が、しかもふるさと納税PR動画として制作してしまいました。

鹿児島県志布志市は、ウナギの収穫量が6,838トンで日本一の鹿児島県の中で3,753トンと約55％のシェアをほこりNo.1に輝いています。ふるさと納税の「お礼品」にもうなぎのチョイスもあり、その部分をPRに使うこと自体は自然な流れかも知れませんが、できあがった映像は全方位的に完全アウトな狂気に満ちたおぞましいホラー動画でした。

冒頭の場面で若い男性の棒読み系ナレーションで「彼女と出会ったのは、一年前の夏だった」と語られ、同時に競泳用プールにスクール水着で浮かぶ美少女が映し出されます。彼女の最初の台詞は「養って。」。そのようにして「その日から、彼女との不思議な暮らしがはじまった」ことになります。

この時点で冗談としてもアウトなことが理解できないことにまずは絶句せざるを得ません。愛玩動物のように「養われる」女性、しかもスクール水着から完全に未成年の少女という設定と見える作りになっています。

さらに絶滅危惧種であるうなぎという観点から見れば、この「うな子」は自由に生きていた海から、現在であれば多くの場合は中国やヨーロッパから無理矢理拉致監禁された上で飼育されている訳です。どこかから勝手にやってきて「養って。」と懇願するような存在では全くありません。

そこからもオシャレなミニシアター系映画のような雰囲気で競泳用プールで「養われる」少女と男性の不思議な日々が淡々と描写されます。

部屋を与え、綺麗な天然の地下水を用い、広々と過ごさせ、美味しいものをお腹いっぱい食べさせ、ぐっすりと眠れるようにします。

そして次の夏、うな子は飛び込み台に立ち、「さよなら」と言って跳躍します。

一瞬だけ宙を舞ううなぎが描写され、次のシーンでは「うなぎ養殖日本一の鹿児島でナンバーワン！」という字幕と共にじゅうじゅうと美味しそうに焼けるうなぎの蒲焼きが表示されます。そして「志布志のうなぎをふるさと納税で」というPR文が美しい志布志市の風景と共に描かれます。

さらに悪いことに、話はこれでは終わりません。再び画面が競泳用プールに変わり、さっきの少女よりさらに若く見える別のスクール水着の少女が「養って。」と語りかけてきてこの悪夢のような映像は終わります。

いったいこの動画を見てうなぎを食べたくなる人が存在するのでしょうか？無垢で疑いを知らないスクール水着の少女を「養う」という柔らかい言葉で「飼育」するという文脈、そしてその少女を翌年の夏には殺害し、調理して食べるというカニバリズムを容易く連想させる映像表現。女性を男性が養うという時代遅れのステレオタイプの表現や未成年の少女の性的な消費というだけに留まらない冒涜的なおぞましさに満ちあふれています。

原理的でエキセントリックな菜食主義者の団体が絶滅危惧種のうなぎを食べ続けることを批判する目的で作ったというのであればまだ納得のいく映像ではあるのですが、これで志布志市にふるさと納税をして志布志のうなぎを食べようとPRという発想がまったくもって想像を絶するもの。

問題の動画は以下から。うなぎを食べる前は特に閲覧注意です。

鹿児島県志布志市ふるさと納税PR動画「UNAKO」 - YouTube

また、日本人が毎年食べまくるために絶滅危惧種となってしまったうなぎをこれからもさらに食べ続けていこうという発想も到底承服できかねるもの。水産資源の回復を待たず、稚魚を世界中からかき集める姿勢を変えない日本の姿勢は遠からず大きな批判に晒される可能性が高いですが、そうした中でのこの映像でのうなぎのPRはまさに絶句もの。

そうした意味では、この動画にはいろいろと根本から考え直すべきテーマが詰め込まれているとも言えそうです。

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