日本の男女格差、10ランクダウンの111位で過去最低、世界底辺レベルの「女性が輝けない国」に



「すべての女性が輝く社会づくり」を目指しながら日本の男女格差は広がる一方です。詳細は以下から。


ダボス会議で知られるスイスの「世界経済フォーラム(WEF)」は10月26日に世界各国の男女格差を比較した2016年版の報告書を発表しました。日本は世界144ヶ国中111位(報告書18~19ページ)で、前年の101位から10ランクの大幅低下となっています。

当然ながら主要7ヶ国(G7)では最下位となっており、世界全体で見ても下から33番目の底辺レベルと言わざるを得ない燦々たる有様です。

グラフを見ると、日本は99位の中国をはじめ、マレーシアやネパール、スワジランド、パラグアイ、ウルグアイ、タジキスタン、ブルネイなどよりも下で、カンボジアよりも1つ上という位置付け。なお、お隣の韓国は116位で、それ以下の多くはアフリカと中東のイスラム系国家となっています。


逆にトップ20はこちらの国々。アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、アイルランドなど、主に北欧の国々が上位を占めています。


分野別では健康は40位と比較的上位、教育は76位と中位ですが、政治が103位、経済が118位と男女格差が極めて激しいことが示されています。さらに詳細に見ても、国会議員の女性比率は122位、官民の高位職の女性比率は113位、女性の専門的・技術的労働者の比率は101位と低く、女性の社会進出が極めて遅れていることが明らかです。

特に所得格差が75位から100位へと大幅に転落していますが、これはWEFが収入の比較方法を改め、所得の差を実態に近づくように修正したことが大きく、男女間の所得の開きが如実に反映された形となっています。

安倍政権は2014年から「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げていましたが、まったく成果が上がっていなかったということになります。

日本では今年2月に大きな話題となった「保育園落ちた日本死ね!!!」で訴えられた育児問題、そして次々と保障が縮小されようとしている介護問題など、女性が大きな負担を強いられがちな問題に対する有効な手段が十分に取られているとはお世辞にも言えない状態です。

もちろんどちらも本来は女性だけの問題ではありませんが、現時点では女性が担わされているケースが多いことも事実。女性が安心して働ける環境をしっかり整備しないことには根本的な解決には繋がりません。

日本の男女格差、111位に悪化 G7で最下位:朝日新聞デジタル

東京新聞_男女平等、日本111位 世界経済フォーラム報告_国際(TOKYO Web)


男女平等ランキング、日本は過去最低111位:日本経済新聞

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