カジノ法案がろくな審議もされないまま強行採決されました。詳細は以下から。
カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法の「カジノ解禁法案」が衆院内閣委員会で自民党、日本維新の会、公明党の一部によって可決しました。民進党は抗議して棄権、共産党は反対しました。
このカジノ法案は法案は超党派議連に所属する自民、旧維新の党、旧次世代の党の議員8人が提出したもの。議員立法は与野党合意が原則でしたが、ルールを無視して11月30日に審議入りしました。
民進は今日の委員会開催前の内閣委理事会で、関係閣僚の出席や地方公聴会の実施など、2年前に与野党で合意していた審議のルールが守られていない点を指摘し、採決や委員会開催に反対ましたが、自民党の秋元司委員長が職権で委員会開催を強行。
慎重審議を求めていた公明党はこのあまりにも拙速で強引な委員会開催にも自主投票という日和見の姿勢を崩さず、委員会の3人の公明党議員のうち佐藤茂樹議員が賛成、角田秀穂、浜村進両議員が反対しました。
カジノについてははるか以前よりギャンブル依存症やマネーロンダリング、暴力団などの反社会性力の関与、地域の風俗環境や治安の悪化、青少年への悪影響などの大きな問題が指摘され続けてきました。
そもそも賭博行為は刑法185条に
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
とあるように、日本の法律ではれっきとした犯罪行為です。これまで違法であった行為を合法化し、ビジネスにするということは国や社会のあり方を大きく転換するということ。加えてギャンブルには上記のような問題点が既に指摘されているにもかかわらず、たった2日間の審議のみで採決を強行することは極めて異常です。
TPP、年金カット法案に続き「結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」はずの自民党が中心となり、今国会では十分な審議なしでの強行採決が相次いでいます。
民主主義の根幹は合意形成のプロセスであり、構成員である日本国民の合意に基づくことが基本です。カジノ法案については山本一太自由民主党総裁ネット戦略アドバイザーまでもが自らの公式ブログで
さて、本日、発表された日本テレビの最新世論調査によれば、今国会に提出されている「カジノ解禁法案」に関して、賛成が24.2%、反対が64.1%となっている。 この数字は、地元での体感と一致する。 女性に限って言うと、恐らく7割以上が反対だろう。
「カジノ解禁法案」は、よほど慎重に進めたほうがいい。 次の衆院選挙にも(思った以上の)影響が出る。 参院選史上、唯一「4回連続の圧勝トップ当選+毎回の得票増」を成し遂げている「群馬の選挙レジェンド」(笑)が言うのだから間違いない!(断言)
日テレの最新世論調査で「カジノ解禁法案」反対が64%、賛成が24%?よほど慎重に進めるべきだ!|山本一太オフィシャルブログ「山本一太の気分はいつも直滑降」Powered by Ameba
と最新の世論調査結果を示した上で拙速な法案成立に警鐘を鳴らすほど、日本国民の反対の意志が極めて強いテーマであることは一目瞭然。
仮に自民党が成立を目指すにしても、延長した2週間程度の臨時国会の会期に無理矢理詰め込んでいいような話ではありません。これは自民党支持者も含めた完全なる国民無視の暴走と言うしかありません。
既に提示されている諸問題への対応策の検討を始めとした真摯な議論なく、ほんの2日間の審議で成立を強行するのはいったいなぜなのでしょうか?これまで犯罪とされており、現時点でも国民の支持を得られていないカジノをビジネスとして合法化しようとする以上、しっかりと時間をかけた議論が必須です。
それを行わず、会期末までにあくまで無理矢理採決を強行しようとするのであれば、自民党が国民を無視し、国会を有名無実化しているという誹りを免れることはできません。
カジノ法案審議 人の不幸を踏み台にするのか _ 社説 _ 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
カジノ解禁法案、衆院内閣委で可決 自民が採決強行:朝日新聞デジタル
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