Photo by National Nuclear Security Administration
肺から2万2000ベクレル計測という極めて多量の放射性物質が検出された作業員の体内への被曝総量が36万ベクレルにも及ぶ事が明らかになりました。年間1.2シーベルトの被曝となります。
茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料研究施設、大洗研究開発センターで6月6日にプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋が破裂し、作業員5人の手袋や服などが汚染された事故が発生。BUZZAP!でも昨日ひとりの50代男性作業員の肺から2万2000ベクレルの「プルトニウム239」とされる放射性物質が計測されたことを報じました。
日本原子力研究機構の放射性物質汚染事故で作業員の肺から2万2000ベクレル計測、国内最悪の内部被ばくに | Your News Online
これだけでも国内最悪の内部被曝事故でしたが、事態が極めて深刻であることが判明しました。日本原子力研究開発機構によると、肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239を検出した作業員が体内に取り込んだ放射性物質の総量は約36万ベクレルになるとのこと。
原子力機構は男性職員の肺の被ばく値から、血液や骨、臓器など体全体に取り込まれた被ばく量を算出。この数値は1年で1.2シーベルト、50年で12シーベルトの被曝量となる計算です。福島第一原発の作業員の1年間の法定被曝限度が1年間で50mSv以下であるため、この値の60倍ということになります。
現時点では体調不良などの訴えは無いとのことですが、がん発症など長期的な健康被害がないか懸念されています。
ちょっと詳しく放射線|放射線が健康に及ぼす影響
日本では1999年に同じ茨城県で東海村JCO臨界事故が発生して死亡者を出し、2011年には福島第一原発事故という世界でも稀に見る原子力事故が発生しています。
こうした状況を経た上で、プルトニウムという極めて毒性の強い放射性物質の扱いがずさんだったために起こった今回の事故は、過去の事故からの教訓を日本の原子力業界が生かせていなかったとも言えそうです。
体内へ総量36万ベクレルか 被曝の50代作業員:日本経済新聞
被ばく:体内へ総量36万ベクレルか 原子力機構事故 - 毎日新聞
(Photo by National Nuclear Security Administration)
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