「内閣官房参与と前川氏の面会は確認できない」と閣議決定、ただし面会自体は両氏とも証言済み



本人たちの証言をさておいた閣議決定が為されました。どちらも面会の事実を認めているにも関わらず…です。


政府は6月9日の閣議で、加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、同学園理事で内閣官房参与に就いていた木曽功氏が2016年4~9月に当時の文部科学事務次官だった前川喜平氏と面会し、獣医学部新設について話した事実を「確認できない」とする政府答弁書を決定しました。

しかし、木曽氏、前川氏はどちらも朝日新聞の取材に面会と会話の事実を認めていました。前川氏は6月1日に在職中の2016年8月に、学園理事で当時内閣官房参与も務めていた木曽氏の訪問を受けて学部新設を「早く進めてほしい」と要請されたと証言。

東京新聞:学部新設「早く進めて」 加計学園理事の内閣官房参与も:社会(TOKYO Web)

前川氏は2人での面会の際に木曽氏が「早く進めてほしいのでよろしく」「文科省は国家戦略特区諮問会議が決定することに従えばよい」などと発言。加計学園の名前こそこの場では出さなかったものの、前川氏は「木曽氏は加計学園理事で、(学園系列の)千葉科学大学学長であることを承知していたので、この話は加計学園のことだと受け止めた」としています。

一方の木曽氏も「いろんなところでお会いして意見交換はしている」と面会の事実を認めており獣医学部新設の話もしたことを認めています。

木曽氏は「面会の用向きは、前川氏の退官後の身の振り方について考えを聞いてほしいと知人からの依頼を受けて意向を確認しに行った次第。人事の話の後、雑談で私が4月から加計学園の経営する千葉科学大学の学長であることから今治市の国家戦略特区の話も出た。加計学園は申請をしている立場なので、社交辞令として『よろしく』くらいは言うかもしれないが、特区の件は手続きに従って進んでいたころであり、具体的なお願いをする必要はないし、まして圧力をかける理由もない」と証言しています。

【加計学園】理事の元内閣参与、前川氏と面会 新学部も話題に「圧力はない」

【報ステ】加計学園問題…前川前次官に単独取材2


前川氏は面会時の獣医学部新設に絡んだ会話を「要請」と受け止め、木曽氏は「圧力は掛けていない」としていますが、2人だけで面会した事は当事者である両者が取材に答えて認めているところ。

当人たちの間で面会と会話の事実に関しては意見が分かれておらず、既に取材によって裏付けられている事実について内閣が「確認できない」とはどういうことなのでしょうか?「新聞に相当詳しく書いてあるから、ぜひ熟読していただきたい」と言われてしまいそうですが…。

内閣官房参与と前川氏の面会「確認できず」 閣議決定:朝日新聞デジタル

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