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東電が原発推進のために税金の投入を要請しています。詳細は以下から。
既に福島第一原発事故の賠償金を含めた処理費用を国民全員に負担させる方針が着々と進められていますが、東京電力は恥知らずにも原発を推進するために国に対して債務保証を始めとした環境整備を要請しています。
福島第一原発の廃炉や事故に対する賠償などに必要な費用の総額が2013年前の試算の2倍となる21兆5000億円にまで膨らんでいることが明らかになったのが2016年のこと。
中でも2兆円とされてきた福島第一原発の廃炉に掛かる費用は4倍の8兆円にまで増加。これは原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業にかかる費用の6兆円を加えたものですが、人類史上初めての作業となり、確定値とは到底言えない状況です。
また、除染費用も2兆5000億円から4兆2000億円に、除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備費用も1兆1000億円から1兆6000億円に増加する見込みで、賠償費用についても5兆4000億円から7兆9000億円に膨らみます。
これを受けて東京電力は原子力事業のほか、送電や配電の事業を再編して収益力の向上を図る新しい事業計画を2017年5月に策定しました。原子力事業では青森県で建設予定の東通原発の事業を他の電力会社や原子力関連メーカーと共同で進めるための具体的な協議に入るとしており、あくまで推進を目論みます。
その中で原子力事業が電力小売りの自由化で長期的な採算が見通しにくくなっているとして、国に対して債務保証などの事業の安定化に必要な環境整備を要請するとしています。
これは営利企業としては極めて意味の分からない要請で、採算が見込めないのであれば撤退して再生エネルギーや火力発電など、採算の見込める事業にシフトするのが当然のあり方。原子力にこだわる必要性はどこにもありません。
そして既に自らの起こした原子炉3機のメルトスルーという人類史上最悪の原発事故の処理すら終わらず、多額の国民の税金を処理に投入している段階で、社員や役員に高給を払う余裕がありながらもさらなる原発推進のために国に対して債務保証を要請するのは言語道断と言わざるを得ません。
そもそも国にそうした財源があるのであれば、東電の救済や原発推進の前に喫緊の課題であると安倍首相も明言した少子高齢化対策を始め、社会保障の充実や教育の無償化、待機児童問題など待ったなしの課題が山積しているのですから、そちらを優先して解決すべきではないでしょうか?
東京電力 原子力事業で国に環境整備を要請へ | NHKニュース
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