Photo by Emil Erlandsson
残業を月100時間も容認する国ですから不思議もないのかも知れません。詳細は以下から。
公益財団法人日本生産性本部がOECD(経済協力開発機構)に加盟35ヶ国の2016年の労働生産性を分析した結果、日本は今年もG7(主要7ヶ国)で最下位となり、OECD加盟国の中でも20位に終わったことが分かりました。
「労働生産性」労働者がどれだけ効率的に働いたかを計るもので、具体的には1人の従業員が1時間にどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標。
今回の調査によると、日本の労働生産性は46.0ドル(4,694 円)となり、6位のアメリカ合衆国の約2/3で1位のアイルランドの約半分となっています。また、イタリア、イギリス、スペイン、カナダ、アイスランドより数ドル程度低く、スロベニア、ニュージーランドよりは3ドルほど高い計算になり、OECD平均を6ドルほど下回ります。
また、G7での最下位はデータが取得可能な1970年以降、連続で最下位を独走しており、今年で46年連続となっています。当然サービス残業はこのデータに反映されませんから、実際の日本の労働生産性はさらに低いことになります。
生産性本部はこの惨状の理由として、短い時間で成果を上げる働き方が浸透せず長時間労働になりがちなことや、手間暇をかけた高品質な製品やサービスを比較的安い価格で提供していることなどが要因だと分析。
政府は働き方改革を推進するとしながらも過労死ライン越えの残業月100時間を容認するなど、生産性向上とは真逆の方針をとっている他、非正規雇用の蔓延によって熟練した技能や経験を持つ従業員が育ちにくい社会状況も相まって、今後も生産性が劇的に向上する見込みは薄いと言わざるを得ません。
後者の高品質な製品やサービスの低価格での投げ売りに関しては、収入が上がらず将来的な改善も見込めない層が消費を手控えて節約している事から「価格の低さ」が高いプライオリティを保つという状況が続いていることが原因としてあげられます。
対策としては最低賃金をアップして給与の底上げを計り、正規雇用を増やして将来的に安定して収入を得られる層を増やすこと、さらには労基法遵守を徹底し、あらゆる長時間労働に厳しい罰則を適用していくことが重要です。
このままの路線ではオリンピック前に半世紀連続でG7最下位という金メダルにも勝る称号を獲得する事になってしまいます。
労働生産性の国際比較 2017 年版(pdf)
日本の労働生産性 主要7か国で最下位 _ NHKニュース
(Photo by Emil Erlandsson)
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