タイで医療大麻が合法化へ


Photo by Bob Doran

大麻合法化の波がついにアジアにも到達したようです。詳細は以下から。


タイの麻薬統制局のSirinya Sitdhichai長官は1月16日に麻薬取締法の改正によって医療大麻が医師の処方箋の下で患者に合法的に販売されるようになると表明しました。Sirinya長官によると

「医療目的で患者は大麻を医師の処方の下で入手できるようになるが、自家栽培は認められない。これが我々が改正案に盛り込んだ内容だ」

とのこと。改正案は2017年末に提出されており、現在は内閣による精査が行われているところです。内閣が改正案を承認すれば臨時国会での投票によって可否が問われることになります。

Sirinya長官はこれまで合法化の方針への大きな反対は見られていないとのことで、順調に進めば臨時国会で可決されることになりそうです。

タイでは10年ほど前に極めて苛烈な違法薬物の取締キャンペーンが行われ、当局によって2500人以上の密売人らが殺害されていましたが、近年の先進国のドラッグ戦争への敗北宣言と大麻合法化や違法薬物使用者への「処罰から治療へ」の方向転換などの影響を鑑みて大きな方針の変更を行いました。

実際に2016年には前法相がドラッグ戦争での失敗を認める見解を発表し、非犯罪化と常識的な規制を行うべきだと主張しています。

Sirinya長官は今回の法改正がレクリエーション目的の大麻を合法化するものではないと指摘していますが、将来的な合法化については排除しておらず、まずは議論を深めるべきだとしています。

また、Sirinya長官によるとタイの医師の意見はふたつに割れており、一部はレクリエーション目的の大麻が合法化された場合、子どもが使用して脳の発育に影響が出ることを懸念しているとのこと。

ただし実際に合法化が進むアメリカ合衆国では未成年の大麻入手が調査開始以来最も困難になっています。闇に潜らせず法の下で管理することが、より未成年から大麻を遠ざけるためには有効とも言えそうなため、この辺りはデータが充実すれば見方も変わってきそうです。

Thai Law About to Make Medical Marijuana Legal

(Photo by Bob Doran


マリファナ合衆国: アメリカの合法化政策を通して学ぶ、大麻との上手なつきあいかた
エンセオーグ・プレス (2014-04-02)
売り上げランキング: 37,640

マリファナも銃もバカもOKの国 言霊USA2015
町山 智浩
文藝春秋
売り上げランキング: 54,704

・関連記事
インドで大麻合法化法案が国会提出へ | BUZZAP!(バザップ!)

米大麻合法化進展に伴い、未成年の大麻入手が調査開始以来最も困難に | BUZZAP!(バザップ!)

【研究報告】アメリカ合衆国で大麻が全面合法化されると、2025年までに14兆6000億円の税収と110万人の雇用をもたらす | BUZZAP!(バザップ!)

大麻完全合法化から3年を経たコロラド州の大麻産業、既に全米第1位のクラフトビール産業よりも巨大化 | BUZZAP!(バザップ!)

大麻完全合法化から1年、コロラド州で起こったこと、起こらなかったことについて | BUZZAP!(バザップ!)

米の医療大麻のシェアが拡大、165億円規模の医療費削減に | BUZZAP!(バザップ!)

大麻が脳の老化を逆転させ、認知機能の低下を防ぐ事が判明 | BUZZAP!(バザップ!)