かつての米ソの核開発競争時と同レベルの人類存亡の危機にある事が示されました。詳細は以下から。
アメリカの科学誌「原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)」の表紙絵として第二次世界大戦直後、冷戦初期の1947年に生み出された世界終末時計(The Doomsday clock)。
この世界終末時計の針が誕生以来最短となる「残り2分」にまで進められました。この数値は誕生から6年後、米ソの双方が水爆実験に成功(米は1952年11月1日に初実験、ソは1953年8月8日に保有を公表)した事が明らかになった1953年以来2度目のこと。
理由としては北朝鮮のICBMを含む核開発が目覚ましく進展したことと、トランプ大統領がステートメントやツイッター上などで北朝鮮に対して挑発的な行動を取り続けたことが共に挙げられています。
なお、この世界終末時計は昨年1月には「トランプ氏は核兵器の使用や拡散について不穏な発言をし、気候変動についての科学的な合意を信じないと表明した」との理由で「残り2分半」にまで進められていました。
これに次ぐ「残り3分」になったのは過去3回で、1949年のソ連の核実験成功、1984年のレーガン大統領の「スターウォーズ計画」を含む米ソ軍拡競争の激化、そして2015年の気候変動や核軍備競争を理由としたもの。
現在の核の脅威に対しては北朝鮮を非難するのが大方の論調ですが、それ以前に「何があっても絶対に核戦争は起こしてはいけない」という大前提があります。1発の核兵器が数十万人の民間人の命を奪う非人道的な兵器である事は日本人なら全員が熟知しているとおり。
優先事項のトップに置かれるのが核戦争の回避であることは自明の理であり、無節操な挑発行為や圧力によって危険を招くことが多くの日本人の生命にも直結する事はしっかりと理解しておかなければなりません。
「終末時計」残り2分、過去最短に 昨年から30秒短縮 (写真=ロイター) :日本経済新聞
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