呆れ果てる「『セクハラ罪』という犯罪は存在しない」閣議決定が馬鹿馬鹿しい本当の理由



日本はどこまで落ちぶれてしまうかと嘆きたくもなりますが、こんな閣議決定が為されたのはなぜなのでしょうか?


財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題で、麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」と発言したことをめぐり、政府が5月18日の閣議で「現行法令において、『セクハラ罪』という罪は存在しない」とする答弁書を決定しました。

虚構新聞のネタとしか思えないような、現実として見れば馬鹿馬鹿しさの極みのような話ですが、いったいなぜこんな事になってしまったのでしょうか?

ネットの一部ではこの閣議決定が立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問主意書に答えたものであることから、「立憲民主党が馬鹿なことを聞くんだから馬鹿な回答にしかならない」などという謎理論が飛び交っていますが、残念ながらこれは完全に間違いです。

逢坂議員の質問主意書は、麻生財務相の発言を「不適切」として撤回と謝罪を求めるもの。福田前事務次官の問題に限らず現在も日本中でセクハラに苦しむ人が大勢いるわけですし、すべての女性が輝く社会づくりを目指すと豪語する安倍政権としてもあってはならない発言です。


当然ながらここで求められるのは、麻生財務相が発言を速やかに撤回し、真摯に謝罪をした上で責任を取って財務相を辞任すること。

しかし、答弁書では「セクシュアルハラスメントに該当し得る行為には多様なものがあり、これらの行為をセクシュアルハラスメントとして処罰する旨を規定した刑罰法令は存在しない」としたうえで「セクシュアルハラスメントが刑罰法令に該当する場合には、強制わいせつ等の罪であり『セクハラ罪』ではない」としています。

つまり、セクハラの蔓延する現状を改善する責を負う日本政府の閣僚がその事実を認めずに揶揄する発言を行った事が問題とされているにも関わらず、「刑法上『セクハラ罪』は存在しない」と論点をずらしと問題の矮小化を行って謝罪から逃げているわけです。

こんな閣議決定をしたところで日本のセクハラが減るわけではないため全くの無意味であるどころか、政府自らがセクハラを小馬鹿にして矮小化している麻生財務相の発言を追認しているという意味では百害あって一利なしと言わざるを得ません。

もはや安倍政権に国民に対する真摯な姿勢など望む方が馬鹿げているとも言えそうですが、そもそもの麻生財務相の「セクハラ罪っていう罪はない」発言が最初にあり、この件への謝罪をなんとしてでも回避しようという逃げの一手がこうした閣議決定を生んだということになります。

政府:「セクハラ罪」存在せず 答弁書を閣議決定 - 毎日新聞

「セクハラ罪という罪はない」の答弁書、政府が閣議決定:朝日新聞デジタル


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