安倍首相「杉田水脈議員(51)は若いから『LGBTは生産性がなく支援不要』発言は不処分」



若さは関係ありませんし、そもそも若いとは言えそうにありませんが…?詳細は以下から。


◆安倍首相が杉田水脈を「不処分」と明言
安倍首相が9月17日のTBSの番組で、自民党の杉田水脈衆院議員がLGBTのカップルは「生産性がない」などと月刊誌に寄稿して国際的な問題となったことに関してまだ若いから、注意をしながら仕事をしていってもらいたいと述べ、処分は不要との考えを明らかにしました。

安倍首相は同時に自身が子宝に恵まれなかったことに触れて「生産性がないと言われると、大変つらい思いに私も妻もなる」と語り、「政治家は自分の言葉によって人がどのように傷ついているか、十分に考えながら発言をすべきだ」とも指摘しました。

これは極めて奇妙な対応で、杉田議員は安倍首相が「杉田さんは素晴らしい」と一本釣りの形で比例代表のトップに据えた「秘蔵っ子」の議員である事は櫻井よしこが明言しているとおり。




安倍首相に杉田水脈を登用した責任があることは明確で、この問題はGuardianIndipendentCNNらが報じた事で既に国際的な問題にも発展しています。

安倍首相は自らに子供がないことを引き合いに出しましたが、その上での不処分の決定は「発言に重大な問題があることを理解しながらも処分しない」という是認の姿勢を世界に向けて公式に打ち出したことになります。

安倍夫妻の例を出すまでもなく、これまで多くの批判があったようにこの発言は決してLGBTに留まる問題ではありません。子供ができなかったり作らない判断をした夫婦や障害者、病気や老衰で働けない人など、「生産性がない」と判断された全ての人への攻撃であり、安倍政権はこれを容認したということになります。

その不処分の理由が51歳の衆議院議員に対して「まだ若いから」というのはお笑いぐさにもなりません。中学生であったとしても親を呼んでみっちりと説教しなければならないレベルの発言ですが、これで理解を得られると考えているのでしょうか?

◆「生産性」発言とはどんな問題だったのか?
この問題の発端は「新潮45」の記事を自らもセクシャルマイノリティであることをカミングアウトしている立憲民主党の尾辻かな子議員が指摘したもの。




「LGBT支援の度が過ぎる」と題された文章の中で杉田議員は以下のようにLGBTカップルには「生産性がない」と断じ、税金を使うことを以下のように批判しました。

例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のために税金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。

彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。


これが大炎上となり、各所から徹底的な批判が行われ、上述したようにGuardianIndipendentCNNらも報じることで国際的な批判を浴びることになりました。

なお、杉田氏は自らの文章を「LGBT支援の度が過ぎる」と題しましたが、日本のどこを振り返ってみても、LGBTに対して何らかの積極的な支援が行われているという実情はなく、多額の税金が投じられている実態もBuzzap!編集部員は寡聞にして存じません。

ここ数年で話題になったことといえば「同性パートナーシップ制度」ですが、あくまで異性愛者のカップルと同じ権利を認める制度です。異性愛者に先んじるものでも、ましてや優遇するものでもありません。「度が過ぎるLGBT支援」など、はじめから存在しないのです。

ちなみにBuzzap!編集部で調査したところ、「同性パートナーシップ制度」導入にあたって推定1万1000人のLGBT人口を抱えるとみられる渋谷区(総予算額約858億円)が「男女平等及び多様性を尊重する社会の促進」事業として計上した予算は190万円。

税金の無駄呼ばわりされる規模ではまずなく、LGBTカップルが抱えてきた老後・相続などの法律問題をクリアできるようになるのであれば、むしろ費用対効果が高いとさえ言えます。


◆杉田議員は確信犯であり自民党も同罪
寄稿の内容は絶句する内容ですが、杉田議員は2015年の時点で「生産性がないLGBTに支援が不要」という考え方を披露しており、決して今回筆が滑っただけという話ではありません。

2015年7月5日に公開された動画「【日いづる国より】杉田水脈、LGBT支援論者の狙いは何?」でも中山恭子、すぎやまこういちのインタビューに「はっきり申し上げます。生産性がない同性愛の人達に皆さんの税金を使って支援をする。どこにそういう大義名分があるんですか?っていう」と回答し、「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑いながら話しています。




自民党から出馬する2年も前からこうした意見を堂々と披露していた杉田水脈を安倍首相が「素晴らしい」と評価し、比例代表のトップに据え付けて当選させた上、今回の騒動でも不処分の決定をしたという一連の流れはしっかり覚えておく必要があります。

また、杉田議員は騒動の渦中でも自民党の大臣クラスをはじめとした先輩議員が「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」と発言したこと、自民党でLGBTの理解促進を進めている議員たちが杉田議員の寄稿について「党の立場も配慮し言葉を選んだもの」と表していた事をツイートしています。



今回の不処分の決定も含めて考えれば、つまりは杉田議員の寄稿の内容がLGBTに関する自民党の公式見解ということになります。8月1日付けで自民党公式ページに掲載された、LGBTに関するわが党の政策についてにもその片鱗は見えています。


「同性愛って、ちょっとついていけないなあ これは多くの方の率直な意見かもしれません」という出だしから、LGBTに何の配慮もしようとしていないことがよく分かります。この後も杉田議員の寄稿をマイルドにしたような「政策」が並べられており、決して異性愛者と同等になるようなサポートをするつもりがないことは以前BUZZAP!で詳しく指摘したとおり。


これで杉田水脈が無罪放免とばかりに同様の言動を繰り返すのであれば、再び大炎上となる事は間違いなさそうです。

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