絶対流出してはいけない個人情報のはずでしたが……。
国税庁が12月14日、東京、大阪両国税局からデータ入力を委託されていた東京都杉並区の業者、システムズ・デザインが契約に反して別業者に再委託し、マイナンバーなど個人情報が含まれる約70万件の書類を流していたと発表しました。
システムズ・デザインは両国税局が企業から提出を受けた給与や住所、氏名、マイナンバーが記載されている源泉徴収票などのデータ入力業務を行っており、同社が再委託先に流した約70万件のうち約55万件はマイナンバーが記載されていたとみられています。
マイナンバー法では無許可の再委託は禁止されていますが、同社は繁忙を理由に国内の3業者に再委託。システムズ・デザインの内部調査によると「再委託先からの個人情報の流出や不正な利用のおそれは認められておりません」とされています。
両局は同社との契約を既に解除しており、今後入札参加資格の停止を行う予定としています。
また国税庁は「納税者におわび申し上げる」としていますが、誰にも知られてはいけないマイナンバーが55万件、個人情報を含むデータ全体では70万件も流出している以上、おわびで済むような話ではありません。
この問題の大元の責任は国税庁が繁忙で手が回らなくなる量の業務を委託したことにあり、マネジメントに大きな問題があると言わざるを得ません。業務フローの見直しが行われなければ同様の事案は繰り返し起こることになります。
そして、こうしたマイナンバーの大量漏洩事件が発生すればマイナンバーの信頼性はこれまで以上に損なわれ、普及はさらに進まなくなります。
ここまでグダグダのオワコンになっている以上、速やかな廃止が最も傷が少なく済むようにも思えますが…?
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