現実になれば日本戦後史上最大級の出来事になりますが、トランプ大統領はどういった理由から条約破棄を考えているのでしょうか?詳細は以下から。
◆トランプ大統領が日米安保条約を破棄しようとしている?
ブルームバーグ紙現地時間6月24日に報じたところによると、アメリカ合衆国のトランプ大統領が日米安保条約の破棄を「個人的に」考えているということです。
このスクープはトランプ政権に近く、当該事情に詳しい3人の証言を元にしていますが、3人とも身元の秘匿を求めているとのこと。
実際のところ、トランプ政権が現時点で日米安保条約の破棄に向けて動いてはいませんし、当局側も「そうした動きは極めて考えにくい」と回答。菅官房長官もこうした話は全くないと否定しています。
ではトランプ大統領は「個人的に」どういった理由で日米安保条約の破棄を考えているのでしょうか。
◆ホルムズ海峡に関するツイートとの符号
記事によると、トランプ大統領は日米安保条約では日本が攻撃を受けた際にアメリカ合衆国が共同で防衛するものの、アメリカ合衆国の防衛の際に日本が共同で防衛しない事を一方的で不公正だと考えているとのこと。
ここで思い起こされるのが同日のトランプ大統領のツイートです。イランのホルムズ海峡での安全保障に関するもので、この海峡を通るタンカーに対して各国に自主防衛を求めています。
中国の91%、日本の62%、そして他の多くの国の石油がホルムズ海峡を通って供給されている。なぜアメリカ合衆国が長年にわたって無償で守り続けている。全ての国は自国のタンカーの安全を自ら守るべきだ。
China gets 91% of its Oil from the Straight, Japan 62%, & many other countries likewise. So why are we protecting the shipping lanes for other countries (many years) for zero compensation. All of these countries should be protecting their own ships on what has always been....
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年6月24日
このツイートとブルームバーグ紙の記事の共通点は、アメリカ合衆国の軍事力のもたらす平和に他国が「フリーライド」しているという発想です。そして、その発想は同時に恩恵を受けるならば対価を払えという主張に直結します。
ブルームバーグ紙によると、トランプ大統領は日本政府が繰り返す米軍基地移転への努力を「土地の収奪」であると捉えており、基地移転に対して財政上の補償を求めることも視野に入れているとのこと。
またトランプ大統領は、沖縄の米軍基地の跡地は後の開発を考えれば100億ドル(約1兆500億円)の価値があると周囲に漏らしていたという証言を掲載しています。
実際には日本の領土を貸し出しているに過ぎませんが、この辺りはいかにも不動産王らしい発想です。ただしトランプ大統領が諸国のアメリカ合衆国への「フリーライド」に対して何らかの対価を払わせようとしていると考えると、これらの発言の辻褄は合ってきます。
ブルームバーグ紙のスクープと上記ツイートにしても、大阪でのG20を目前に行われた事を考えれば、日本に対する一種のメッセージであると考えることは当然可能です。
その場合のメッセージは「自分の国は自分で守れ」であり、具体的には「そのためにアメリカ合衆国から兵器をもっと買ってね」ということになるでしょう。
既に日本国内では戦闘機F35の爆買いに対して少なからぬ批判が起きていますが、G20後に日本は何を買うことになるのでしょうか。
社会評論社
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