日本人なら誰しも一度はダイレクトメールの漫画で「これ、進研ゼミで見た問題だ」という展開を見たことがあると思われますが、あまり良くない意味で実現していたようです。詳細は以下から。
萩生田光一文部科学相が11月20日の国会で通信教育大手ベネッセコーポレーションに対し、「採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く(行為があった)」とし、文科省として厳重に抗議し、是正を促すことを明らかにしました。
問題はベネッセが高校向けに配布した資料に、大学入学共通テストに向けた記述式の採点基準の作成などで助言事業を請け負っている旨の記載があり、模擬試験や対策講座などのほかの営業活動に利用した疑いがあるとのこと。
衆院文部科学委員会で本件を国民民主党の城井崇氏が「現場や受験生から見たら、あの会社の模試がいいんだなと思う」と指摘。これに萩生田文科相は「学校現場に対して、このような資料を配布することは、記述式問題の採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く」と認めました。
この資料はベネッセが2017年に首都圏約250の高校、約300人の教員を対象に大学入試改革に伴う自社サービスなどについて説明した会合で配られたということです。
なお大学入学共通テストの記述式問題の採点は、一般競争入札によにより61億6000万円で落札され、ベネッセの関連会社「学力評価研究機構」に委託されることが決定済み。
またベネッセは延期となった英語民間試験のひとつGTECを実施する企業でもあり、文科省の民間英語試験の有識者会議にも取締役らが名を連ねるほどに深く関わる企業です。
今回の問題から、大学入学共通テストはベネッセが制度設計に深く関わり、ベネッセが模擬試験を行い、ベネッセがGTECという英語民間試験を実施し、ベネッセが採点基準を作成し、ベネッセが記述式問題を採点し、ベネッセが対策講座や問題集を販売する構図だったことになります。
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