大学入試改革の二本柱が共に崩壊です。これならセンター試験のままで何も問題がなかったのではないかという話になります。詳細は以下から。
◆大学入試改革が崩壊
来年度から始まる予定だったものの、萩生田文科相の「身の丈に合わせて」発言で大炎上し、英語民間試験が延期に追い込まれた大学入学共通テスト。
国語と数学で導入予定だった記述式も「正解は試験前に通知」「バイト3人で採点ミス防止」などお粗末すぎる対策に批判が集まっていました。
これを受けて12月17日、萩生田文科相が「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難だ」として記述式問題の2021年1月からの導入を正式に見送ることを発表しました。
なお、延期期間に関しては「期限を区切った延期ではない。英語の民間試験と違い、全くまっさらな状態から対応していきたい」と明言。事実上の撤回ということになりそうです。
これにより、大学入学共通テストの英語民間試験と国語・数学の記述式問題という大学入試改革の2本柱が共に倒れ、名実ともに頓挫したことになります。
◆高校側はセンター試験を高く評価
これではほとんどセンター試験と変わらない事になりますが、センター試験はここまで無理矢理変えなければならないような欠陥試験だったのでしょうか?
高校生新聞が全国の1120校にアンケート調査を行った結果によると、現行のセンター試験の問題は良質であると思うかとの質問に、94%が良質であると回答。
加えてセンター試験を廃止して大学入学共通テストに変更する事に対しては6割弱が好ましくないと回答。教育現場からは現行のセンター試験への高い評価と信頼性が伺えます。
これをある種の保守性と見ることもできるかもしれませんが、1990年から30年に渡って培われた歴史とノウハウ、公平性に信頼が集まることは不思議なことではありません。
一方、大学入学共通テストでは一流ジャーナリストの田崎史郎さんが政治家の絡む利権構造を指摘。
さらにはベネッセコーポレーションが、共通テストの問題作成や採点への関与を営業活動に利用するなど著しく公平性を欠く実態が浮き彫りになるなど、公平性に疑問符の付く事案が次々と明らかになっていました。
大学入試改革は失敗だったと正直に認め、センター試験を継続するのが受験生や関係者らに対して最も誠実な態度ということになりそうです。
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