もはや誰のため、何のための合流なのか分からない状態になっています。詳細は以下から。
◆国民が「原発ゼロ基本法案」の撤回を立憲に要求
与党への対抗軸をつくるとして合流を模索している立憲民主党と国民民主党。元々は民進党からの造反者によって作られた国民民主党ですが、合流に向け強気の姿勢を崩しておらず、交渉は頓挫しています。
立憲の枝野代表と国民の玉木代表が先週党首会談を行ったものの合意には至らず、現在はそれぞれの党内で協議が進められている段階。
ですが、NHKの報道によると玉城代表は立憲民主党などが国会に提出している「原発ゼロ基本法案」の撤回を要求。もちろんこれは立憲のみの政策ではないため、現在の野党共闘をもぶっ壊す可能性があります。
加えて合流後は党名を立憲民主党以外とすること、綱領に「改革中道」という文言を明記すること、さらには幹事長や政務調査会長、国会対策委員長などの役員を原則として交互に出すことも要求しています。
当然といえば当然ですが、これらはいずれも立憲民主党側に蹴られています。ちなみに国民民主党の最新の支持率は0.9%(議員数は計60名)、立憲民主党は5.4%(議員数は計92名)となっており、どう考えても強気に出られる関係ではありません。
◆裏切りから生まれた国民民主党
なお、国民民主党の歴史を振り返ってみても立憲民主党に対して対等に合流を持ちかけられるような成り立ちではありません。
民進党の最後の代表である前原誠司が小池都知事の希望の党に合流するために民進党をぶっ壊す「売党行為」を行ったのが全ての始まりでした。
合流に関して小池都知事は候補者個々人を「選別」し、改憲や安保法制への考え方の違う候補者を排除すると明言。この際に選別を受け入れなかった議員らを枝野代表がまとめ上げたのが立憲民主党です。
ご存じのとおり、希望の党はこの「排除」発言によって急激に失速して空中分解。その後残された希望の党と参院の民進党の議員らによって発足したのが国民民主党で、この際に前原誠司も合流しています。
つまり民進党をぶっ壊した張本人と、裏切って小池都知事に尻尾を振った議員らで作られたのが国民民主党で、そこに乗らなかったのが立憲民主党ということになります。
国民民主党は野党第1党を目指していましたが、その実は与党のサポーターとなる場面も多く、虚偽答弁が横行して立法事実すら完全消滅した高度プロフェッショナル制度についても「審議時間を十分に重ねた」として採決に応じています。
加えて玉木代表は高齢者を最低賃金未満で働かせられる法制度の必要性を訴えるなど、貧困や格差に対しても極めて冷淡な態度を取り続けています。
Googleは就職の条件から大卒を撤廃する。AI時代、採用時の学歴、年齢、性別による差別禁止は当然。それと人生100年時代、これからは定年制の撤廃も不可避だ。私は高齢者就労を応援したい。そのためには、本人の同意など一定の条件の下、最低賃金以下でも働けるような労働法制の特例も必要だと考える。 https://t.co/LtBYJYEgQg
— 玉木雄一郎 (@tamakiyuichiro) 2018年8月24日
原発政策に留まらず、労働や高齢化問題などの政策への態度を見ても、対与党という大義名分のみで安易な合流を行う事は立憲民主党の支持者からは裏切りと見られても致し方ない状況と言えそうです。
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