日本の競争力が34位で過去最低を更新し韓国にも2年連続で敗北、その内訳が残念なことに



残念ながら働き方改革の効果が表れた様子はありません。詳細は以下から。


◆日本の競争力が34位で過去最低を更新
スイスのビジネススクールIMDが6月16日に発表した2020年版世界競争力ランキングで、日本の競争力が2年連続で下落し、34位となって過去最低を更新しました。

調査対象となるのは世界の63の国と地域で、政府や世界銀行の統計データに加えて経営者へのアンケート調査をベースとして産出されたもの。

1989年から毎年実施されており、日本は1989年から4年連続で競争力トップとなっていましたが、2010年以降は25位前後と低迷していました。

前後の33位はチェコ共和国で35位はスロベニア。中国は新型コロナの影響で6つ順位を落として20位。韓国は5ランクアップの23位となりました。韓国には2019年に順位を逆転されて2年連続の敗北となります。


◆日本低迷の内訳を見てみましょう
いったい日本が低迷する理由はどのあたりにあるのか、調査の詳細を見ていってみましょう。このランキングは「経済状況」「政府の効率性」「事業効率」「インフラ整備」の4項目があり、それぞれの下にサブ項目が並んでいてそれぞれにランク付けをされます。

各国別の資料を見てみると、日本は「経済状況」では雇用は2位と高いものの、「物価」が59位と最低ランクとなっています。


「政府の効率性」では「財政」が61位とほぼ最下位「税政策」も41位となっており、政府が競争力向上の足を引っ張っていることが分かります。

「事業効率」では「生産性と効率性」のランクが55位「経営体質」も62位といずれも最低ランクとなっています。「思想と価値観」でも56位となっており、政府以上に企業の文化や体質が競争力の大きな足かせになっています。

「インフラ整備」では「基本的なインフラ」が44位と最も低く、「技術的インフラ」が31位「教育」も32位と振るいません。

アンケート調査では自国の経済のカギとなる魅力について15項目から5つを選ぶようになっていますが、最も高いのが「信頼できるインフラ」で2番目が「高い教育レベル」。実際にはいずれも30位以下となっており、実態とのズレが見られます。


最も低いのが「競争力のある税政策」で2番目が「政府の能力」ということで、経営者目線では政府の税制に不満が大きいことが分かります。この辺りは消費税のさらなる増税や法人税減税を求める経団連の姿勢などと被るでしょうか。

ちなみに3番目に低いのが「開かれたポジティブな態度」ということで、この辺りは現在も根強く残るはんこやFAXに象徴されるような、日本社会の企業文化や体質の閉鎖性や古臭さを表していると言えそうです。

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