マスク不着用で1000人超逮捕、一世紀前にもトラブルをまき散らしていた「マスク忌避者」たち



1918年のスペイン風邪の大流行時にもマスク着用を拒否する人々が問題を起こしていました。人類はあれから100年、まともに進歩できていると言えるのでしょうか?


日本でも渋谷の「クラスターフェス」をはじめ、マスク着用拒否者が暴れて飛行機が緊急着陸を強いられるなど、「新型コロナはただの風邪」としてマスク着用を拒む人々が多くの問題を起こしています。

ですがそれは今回初めて起こった出来事ではありませんでした。1918年に起きたスペイン風邪として知られる新型インフルエンザ流行時にも同じような人々が問題を起こしていたのです。

当時も「ステイホーム」が求められ、学校や大衆娯楽の場は閉鎖され、裁判所や教会は野外での開催となりました。ホテルや大規模ホールは臨時病院となり、テントが隔離病棟として用いられました。

アメリカ合衆国のカリフォルニア州でも感染拡大を避けるべくこうした策が取られ、加えて州法によってマスク不着用者は軽犯罪法違反として逮捕され、5ドル(現在の価値で約9000円)~100ドル(約18万円)の罰金と、場合によっては10日間の禁固刑に処せられるという「マスク着用令」が出されました。

ちゃんとマスクを着けるよう市民に警告する警官の姿です。


1918年11月9日のサンフランシスコ・エグザミナー紙はこの州法によって1000人以上が逮捕されていたことを報道。この頃にはマスク不着用者は「マスク忌避者(Mask Slackers)」と呼ばれるようになります。

第一次世界大戦中だったこの時期、Slackerは兵役を逃れようとする者に投げかけられる極めて強い侮蔑の言葉でした。マスク不着用者がどれだけ嫌われていたかがよく分かります。

こちらは2人のマスク不着用者が警官に連行される模様。元キャプションではこのふたりは逮捕されたとされています。


オリジナルのキャプションでは「マスクを着けるか牢屋に入るか」を迫っている警官とのこと。


マスク不着用の女性に警告する警官。


市民のマスクの着け方を直す警官。


「マスク忌避者」がもめて3人が銃撃されたことを伝える1918年10月の新聞記事。右側には治安を乱したとして100人の「マスク忌避者」が捕まったという記事も。


こちらは「マスク忌避者」が警官に銃撃されたことを伝えています。


実際にマスク着用令によってスペイン風邪の感染者数は減少。ですがこれによって「もうマスクは要らない」派と「マスクは有効だったんだから続けるべき」派に人々は分断されます。

1918年12月、結局マスク着用令が解かれ、人々はマスクを焚き火に投げ込んで祝いましたが、その直後にいわゆる「第2波」がやってきました。

これに対して再びマスク着用令が出されると、人々は大いに反発。各地で「反マスク戦線」が組織され、場所によっては2000人に渡る抗議集会も開催されました。こちらはカナダでの「反マスク戦線」の記事。


結果的にスペイン風邪では15ヶ月間に世界全体で5億人が感染し、全人口の6%にも及ぶ5000万~1億人が死亡したとされています。私たちは1世紀前のパンデミックからしっかりと学び、現在吹き荒れる新型コロナのパンデミックに対応できていると言えるでしょうか?

この100年の間に人類は原子力を発見して宇宙に飛び出し、性別や人種に関わらず等しく人権を認めるなど多くの進歩を成し遂げたはず。肝心のところで同じ間違いを繰り返している場合ではないはずですが…。

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