ヘイトスピーチと誹謗中傷の巣窟として、2チャンネル(現5チャンネル)よりも酷いと評されることもあったYahoo!ニュースのコメント欄。今回の措置強化で清浄化されるのでしょうか?
◆Yahoo! JAPANが「不適切な投稿」を行うアカウントへの措置を強化
検索大手Yahoo! JAPANが運営するYahoo!ニュースは極めて多くの人の目に触れるコンテンツでしたが、このコメント欄は某巨大匿名掲示板や各種SNSにも負けないほどヘイトスピーチや誹謗中傷が溢れかえっていることが以前から指摘されてきました。
2018年6月には不適切なコメントを削除し、複数回不適切コメントを投稿したアカウントを削除するという改革が行われましたが、ご存じのように現在もヘイトスピーチや誹謗中傷はなくなっていません。
あれから2年3ヶ月、9月29日にYahoo! JAPANは違反コメント投稿者に対する投稿停止措置の強化を発表しました。
強化の原因は、アカウント削除にもかかわらず新たなYahoo! JAPAN IDを取得して不適切投稿を繰り返す行為が確認されたこと。今回の措置ではIDを再取得してもコメントの投稿が制限されることになります。
方法としては、Yahoo! JAPAN IDの新規取得には携帯電話番号を利用するため、一度投稿停止措置を受けたアカウントは再取得したIDでもコメントの投稿が「できなくなることがあります」とのこと。
つまり完全な投稿停止ではなくあくまで制限であり、コメントの閲覧や、そう思うボタン・そう思わないボタンの投票は制限を受けません。この機能のリリースは2020年10月中旬を予定しているとのこと。
携帯番号をその度ごとに新しくしてまでヘイトスピーチや誹謗中傷を繰り返すアカウントが多数に上るとは考えにくいため、少なからず効果は見込めそうです。
◆「不適切なコメント」とは何か?
Yahoo!ニュースは「ニュースコメントガイド - Yahoo!ニュース」の中で、「ご協力いただきたいこと」として「誹謗中傷はやめよう」と明言しています。
その内容は「誹謗中傷、根拠のない批判、相手の人格を否定するようなコメントはやめましょう」というもの。実際的には「ガイドライン違反の不適切コメントを削除」とあるため、ガイドラインに違反したものを不適切なコメントとする事が分かります。
それではガイドラインに何が書いてあるのか。リンク先の「第3章 コミュニティーサービスに関する規則(ガイドライン)」を見てみると「投稿などをされたコンテンツの取扱い」は「原則として第1章総則の定めに従います」となっています。
総則の7項目には順守事項がありますが、投稿内容に関しては(1)と(2)が深く関係しています。
7.サービス利用にあたっての順守事項
(1)日本国またはご利用の際にお客様が所在する国・地域の法令に違反する行為
(2)社会規範・公序良俗に反するものや、他人の権利を侵害し、または他人の迷惑となるようなものを、投稿、掲載、開示、提供または送信(以下これらを総称して「投稿など」といいます)したりする行為
(第1編 基本ガイドライン - サービス利用規約 - ヤフー株式会社より引用)
すでに日本ではヘイトスピーチ対策法が既に制定されており、誹謗中傷に対しても強い批判が寄せられるようになっていますが、Yahoo!ニュースのコメント欄にこれらの順守事項に違反すると思われるコメントが散見されることはユーザーであれば目にしているとおり。
Yahoo! JAPANがどこまでこうしたコメントを取り締まれるのか、その本気が問われることになります。
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