【コラム】杉田水脈議員「女性はいくらでもうそ」発言認め謝罪→全く謝罪になっていませんでした



一度は性被害者女性への蔑視発言の指摘に「『女性はいくらでもうそをつけます』なんて言ってない」と逃げ切りを図ったものの大失敗し、言っていないのがうそだとバレた自民党の杉田水脈議員。

火消しを図ろうと自らのブログ記事を訂正して「謝罪」のポーズをとっていますが、全く謝罪になっていません。詳細は以下から。


◆杉田水脈議員「女性はいくらでもうそ」発言のうそと顛末
自民党の杉田水脈衆院議員は9月25日の党の内閣第一部会などの合同会議で女性への暴力や性犯罪に関して「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言。

共同通信社は複数の関係者の証言を取った上で本件を報道しましたが、杉田水脈議員は逃げ切れると思ってしまったのか、会議後に記者団に対して「そんなことは言っていない」と否定。

ですが当然その場にいたのは自民党議員らを含むいわゆる身内の人々ですから、杉田議員が強弁を続ければ彼らがうそをついたことになってしまいます。

また、野党はもちろん橋本聖子男女共同参画相森山国会対策委員長らを始め自民党内からも批判が噴出。発言撤回と辞任を求める署名は12万筆を超えています。

これに対し、杉田議員は記者団に今後はブログでしっかりと書いていきたいと話しただけでさっさと逃亡。書かれたブログでは最初この発言をやはり否定していました。

10月1日になって杉田水脈議員は一転してこれまでの「そんなことは言っていない」とした発言を撤回。「女性はいくらでもうそをつけます」と発言したことを認めてブログを修正し、「謝罪」を行っています。この時点で杉田水脈議員が自らの発言についてうそをついていたことが確定しました。

◆杉田水脈議員の「謝罪」はなぜ謝罪と呼べないのか
そして、この『内閣第一部会・内閣第二部会合同会議に於ける私の発言について』とするブログでの「謝罪」はまったく謝罪になっていませんでした。


杉田議員は発言が「最近報じられている慰安婦関係の民間団体の女性代表者の資金流用問題の例をあげて、なにごとも聖域視することなく議論すべきだと述べる中で」行われたとしています。どう考えても性犯罪被害とは全く関係のない話です。

そして発言の趣旨については「民間委託の拡充だけではなく、警察組織の女性の活用なども含めて暴力対策を行なっていく議論が必要だということ」とし、「女性を蔑視する意図はまったくございません」としています。

ですが、民間だけでなく警察を活用して対策すべきという議論の中で「女性はいくらでもうそをつけます」という発言が出てくる必然性もまったくありません。

無理矢理この文脈にその発言をねじ込むとすれば、「女性はいくらでもうそ」をつけるのだから、民間に任せるのではなく警察が入って真偽を問いただせということになってしまいます。

そして「謝罪」とされる部分は「民間団体の女性代表者の例を念頭に置いた話の中で、嘘をつくのは性別に限らないことなのに、ご指摘の発言で女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます」というもの。

執拗に「慰安婦関係の民間団体の女性代表者」の問題を持ち出そうとする理由はこれまでも慰安婦問題で常に慰安婦と支援団体を攻撃してきた杉田水脈議員らしいと言わざるを得ません。

そして謝罪すべき理由は当然発言で「ご不快な思いをさせてしまった」からではなく、女性蔑視であり性暴力被害者を貶めるセカンドレイプだからです。

それを杉田議員が理解していない(もしくはそう振舞っている)のは、ブログの結びの「今後も政調会長からのご注意を肝に銘じながら、表現や言い回しに気をつけて自由闊達な部会の場で有権者の皆様の声などをしっかりとお伝えし、より良い政策の立案に励みます」という部分からも分かります。

杉田議員が「表現や言い回しに気を付けて」と書いているように、あくまでこの問題を「表現や言い回し」によって「ご不快な思いをさせてしまった」ことにあるとしており、女性蔑視や被害者へのセカンドレイプであることをかたくなに認めていません。

杉田議員に発言撤回、謝罪、辞職を求める署名『女性はいくらでもうそをつけますから』自民党・杉田水脈衆議院議員の性暴力被害者への発言撤回、謝罪、辞職を求めます。では発言のそうした点を明確に指摘しています。

また、杉田議員の性暴力の被害者支援現場の状況について以下に無知であるかについては「女性はいくらでもうそ」は言ってない? 杉田水脈議員の弁解ブログが輪をかけてひどい理由(小川たまか) - Y!ニュース という記事内(謝罪前の版を対象)で詳しく述べられています。

既に各所で指摘されていますが、杉田議員は2017年衆院選に置いて、自民党の中国ブロックの比例単独では名簿トップに記されていました(編集部注:実際には17位ですが、上位16人は重複でいずれも小選挙区で当選したため実質1位です)。

つまり、日本人は誰も杉田議員に投票して当選したわけでなく、自民党が比例代表制を使って最優先で当選させた議員ということになります。こうした発言を自民党が容認するがごとく、下村政調会長の口頭注意という軽い処置のみで済ませるのであれば、自民党全体がそうした認識であると受け取られても仕方ないことになります。

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