薬物問題についてFacebookのCEO夫妻が大きなアクションを起こしています。詳細は以下から。
アメリカ合衆国オレゴン州で今年11月に大統領選挙と同時に行われる、違法薬物の非犯罪化を求める法改正運動にFacebookのCEOとして知られるザッカーバーグ夫妻が50万ドル(約5200万円)を寄付したことが話題となっています。
この「Measure 110」と呼ばれる法改正運動は違法薬物の所持を非犯罪化(編集部注:合法化ではなく、逮捕歴の付かない最大100ドル程度の罰金刑)すると同時に、同州ですでに合法化されている大麻からの税収を薬物依存症の治療の拡充に宛てることを求めるもの。
寄付はマーク・ザッカーバーグ氏と妻のプリシラ・チャン氏が共同創始者である慈善団体「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチヴ」名義で行われており、寄付総額の1/3に当たるとのこと。
チャン・ザッカーバーグ・イニシアチヴは目標の中に刑法の改善を掲げており、処罰だけでなく再起できるシステムを目指すとしています。
薬物問題では再犯防止を主目的に、「処罰から治療へ」をモットーに薬物のリスクを最小化させ、健康被害を軽減させて社会復帰を目指すハームリダクションという考え方があります。
これはチャン・ザッカーバーグ・イニシアチヴの考えとも合致しており、処罰をやめて治療を求める「Measure 110」の基本理念でもあるため、ある意味自然といえば自然な話。
実際にポルトガルではこうした考え方に基づいてすべての薬物の個人使用が非犯罪化され、非犯罪化後には薬物使用者数が減少し、特に薬物使用に関連する死亡事故が大きく減りました。
今回の「Measure 110」が成立すれば薬物問題全般への対処法が大きく変わるきっかけとなるかもしれません。
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