「大阪都構想」理解すればするほど反対に回るという結果に、京大調査で判明



「大阪都構想」の愛称で維新の会が推進する「大阪市廃止・特別区設置」の構想について、よく理解できていない人ほど賛成し、理解する人ほど反対している状況が浮き彫りにされました。詳細は以下から。


京都大学レジリエンス実践ユニットは10月27日いわゆる「大阪都構想」についての
大阪市民の理解度に関する調査結果 ~都構想の制度内容等を、賛成派ほど誤って認識しているから
と題する調査結果を発表しました。


この調査によって、制度案の客観的内容や報道される経済効果などへの「基礎知識」について「正確に知る市民ほど反対意向が強くなることや、都構想賛成派の市民ほど誤った認識を持っている」という残念な実態が判明しました。

この調査は大阪市在住の20~90代の男女1200名を対象に、今年の10月21~25日にインターネット調査会社を通じて行われたもの。調査では「都構想」に関する基礎知識について、7つの文章の正誤を2択で回答を求めました。

その結果、正答数が多い市民ほど都構想に「反対」になる傾向が明らかになり、全問正解者では「反対」と「やや反対」が合わせて 72.4%と3/4近くにも及んでいました。


それぞれの設問と賛成派、反対派の誤答率はこちら。設問によっては誤答率に2倍以上の開きがあり、賛成派の理解不足が明確に表れています。


設問で問われた制度案の客観的内容をまとめると、投票賛成多数となっても大阪「都」は誕生せず、大阪市は政令指定都市ではなくなります。大阪市自体は消滅して4つの特別区が設置され、現行法では大阪市に戻せません。新たに4つの特別区になることで財源も権限も大阪市の時よりも縮小されます。

調査では、加えて賛成派市民の多くが「二重行政の解消」効果を過大評価していることも判明。大阪市の委託で嘉悦学園が試算した結果では、二重行政解消による財政削減効果は、年間 3.9億~6.7億円とされています。

ですが賛成派市民ほど「10億円以上」「100億円以上」「1000億円以上」を選ぶ割合が増加。「都構想」に過度な期待を抱いていることが分かります。


まとめると、実際には「大阪市廃止・特別区設置構想」である「都構想」に賛成の人ほどその制度案がどういうものかよく分かっておらず、また報道される経済効果に過剰な期待を抱いているということになります。

逆に言えば、この「都構想」の制度案や実際の経済効果などの実態を知れば知るほど反対に回っているということ。

11月1日に迫った大阪市廃止・特別区設置住民投票「儲かるんやし、ええんちゃう?しらんけど」程度の認識で賛成票を投じる前に、基本的な事実は押さえておいた方がよさそうです。

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